シャーロット・グレイ

2001年のイギリス=オーストラリア合作映画です🎬

セバスチャン・フォークスの同名小説が原作です。



第二次世界大戦下、看護婦のシャーロット(ケイト・ブランシェット)はロンドンに向かう列車の中で役人のリチャード(ジェームズ・フリート)にパーティーに誘われる。
シャーロットはパーティーで出会った空軍のピーター(ルパート・ペンリー=ジョーンズ)と知り合い、恋に落ちた。
シャーロットがフランス語に堪能なことから、リチャードはシャーロットにレジスタンス運動の参加を持ちかけ、シャーロットは引き受ける。
数週間後、ピーターがフランスで消息不明となると、シャーロットは危険を顧みず諜報員として南フランスのレジニャックへ降り立つのだったが……。









1人のイギリス女性が特殊部隊に志願し
フランスにパラシュートで潜入してレジスタンス運動に協力するお話です。

戦争の悲哀やナチスの残虐が主軸に描かれていて
家族の愛や男女の恋模様も盛り込まれたヒューマンドラマです。

素晴らしい作品でしたね。
久々に良い作品に出会えました✌️

主演のケイト・ブランシェットが強くて美しくて

でも時に儚げで…

改めてスゴイ女優さんだなって思いました。



ストーリーはありがちな戦争映画なのですが
最後にどんでん返しがあって
ま、予測はつきましたが
私もきっと彼女と同じ選択をするだろうな
ってしみじみ思いました。

2箇所、泣けるシーンがありましたね。

1つはナチスに収容されるユダヤ人兄弟に宛てた偽の手紙のシーン…
彼らの両親は多分ナチスに殺されてしまっていると思うのですが
彼らを思いやってシャーロットが両親を装って手紙を書き
それが読まれるシーンは思わず泣けてきました。



そしてもう1つはラスト。
シャーロットが放った最後の台詞…
いやー
めちゃくちゃ感動しました😭


ところで
レジスタンスで一緒だったジュリアンのお父さん(マイケル・ガンボン)…
どこかで見たことあるなぁ
って思っていたら
ハリー・ポッター』の二代目ダンブルドア校長でした。




かなりお薦めの作品です。
是非‼️


リトル・アクシデント-闇に埋もれた真実-

2014年のアメリカ映画です🇺🇸

監督はサラ・コランジェロ。
本作は彼女が2010年に発表した短編映画『Little Accidents』を長編映画化した作品です。



小さな炭鉱町で10人の労働者が亡くなる大事故が起きた。
たった一人生き残った青年エイモス(ボイド・ホルブルック)は訴訟を起こそうとする遺族たちと会社の板挟みになり追い詰められていく。
一方、事故で父親を亡くした少年オーウェン(ジェイコブ・ロフランド)は、炭鉱の責任者の息子ジェイティー(トラヴィス・トープ)が転倒して死亡する場面に遭遇し、思わず遺体を森に隠してしまう。
ジェイティーの母親ダイアナ(エリザベス・バンクス)は必死で息子の行方を探すが……。










10人が命を落とした炭鉱事故をきっかけに始まる悲劇の連鎖を描いたサスペンスドラマです。

事故で唯一生き残った男性が事故の真相を知りつつも明らかにすることができない罪悪感…

父を事故で失くした少年が、父を殺した炭鉱の責任者の息子の死を隠蔽する罪悪感…

この2つの『罪』を結びながら
お話は静かに進行します。


ストーリーの大半が炭鉱責任者の妻(ジェイティーの母)ダイアナの情事のシーンばかりで
途中で少し飽きてきました💦


夫は被害者遺族から告訴され
息子は行方不明になり
可哀想な境遇ではありましたが
だからと言って不倫はアカンよね。
かなりのクズ女でした。
全く感情移入はできませんでした。


父を事故で亡くし
自分を虐めていた子の死を隠蔽したオーウェン
かなり難しい役どころでしたが
演じた子役くんが素晴らしかったです。



サスペンス要素はちょっと薄かったかな?
心理劇の様相が強い作品だったと思います。

お時間があればどうぞ。


月曜日のユカ

1964年の日本映画です🇯🇵

原作は安川実先生の著作です。
あの倉本聰が脚本を担当しています。
監督は中平康


 
横浜の外国人客が多い上流ナイトクラブ『サンフランシスコ』では、今日もユカ(加賀まりこ)と呼ばれる十八歳の女の子が人気を集めていた。
様々な伝説を身の周りに撒きちらす女、平気で男と寝るがキスだけはさせない、教会にも通う。
彼女にとっては当たり前の生活も、人からみれば異様にうつった。
横浜のユカのアパートで、ユカがパパと呼んでいる船荷会社の社長(加藤武)は初老の男だが、ユカはパパを幸福にしてあげたいという気持でいっぱいだった。
ある日曜日、ユカがボーイフレンドの修(中尾彬)と街を歩いていた時、素晴しい人形を娘に買ってやっている嬉しそうなパパを見た時から、ユカもそんな風にパパを喜ばせたいと思った……。









18歳の女の子の刹那的な恋愛模様を描いた作品です。

かつては『和製ブリジット・バルドー』とも呼ばれていた毒舌女優…
加賀まりこさんが20歳頃に主演された作品です。

加賀さん…すごーく可愛くてビックリしました😲
細くてスタイルも抜群でした。



全編モノクロの作品ですが
ヨーロッパ映画のような趣もあり
全体的にお洒落な雰囲気でしたが
コメディタッチな要素もあって
古い映画でしたがまあまあ楽しめました。

ただ、ユカがあまりにも頭が悪すぎて
少々呆れてしまいましたが
女性はあれくらい頭もお尻も軽い方が愛されるんですよね。
昔も今も変わりません。



加賀さんの相手役に中尾彬さんが出演されていました。
ため息が出るほどのイケメンですね。



加賀さんのお母さん役に北林谷栄さん。
とんでもないかあちゃんでしたが💦



ラストは衝撃的でした。
ユカってバカだけど性格は良い子かな?
って思っていましたが

このラストを観る限り
嫌な女の子でした。

まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。


海を駆ける

2018年の日本=フランス=インドネシア合作映画です🎬

脚本・監督は深田晃司



貴子(鶴田真由)は息子のタカシ(太賀)とインドネシアに移住し、 NPO法人で災害復興の仕事に就いていた。
ある日、貴子の自宅で息子の同級生クリス(アディパティ・ドルケン)と、その幼なじみでジャーナリストを目指しているイルマ(セカール・サリ)が取材を行なっていたところ、身元不明の日本人らしき男性(ディーン・フジオカ)が見つかったという連絡が来て……。








2004年の大地震による津波で大きな被害を受けたスマトラ島でロケを行ない
海からやって来た不思議な男が起こす奇跡を描いたファンタジードラマです。


ディーン・フジオカさん演じるラウが何者なのか?
最後までよくわからなかったです。


超能力みたいなのを使って人を救ったり
逆に無差別に人を殺したり…

彼の意図が不明でしたが

観賞後よくよく考えてみたら
多分彼は『海のメタファー』なのかな?と。

人々に自然の恵みを与えてくれる
母のように優しい海は
ある時津波という牙をむき出しにして
人を殺めてしまう…

そんな両価的な海というものを象徴していたのでは?
と思いました。

青春映画のような様相を呈した作品のようにも見えましたが
本当の意味がわかるとまさにホラー映画の如くでした。



タカシを演じた太賀さん…
素晴らしかったですね。

初見の俳優さんでしたが
現地の俳優さんかと思いきや
あの中野英雄さんの御子息で
バリバリの日本人でした。
インドネシア人にしか見えなかったし
インドネシア語がかなりお上手でした。



よくわからなかったと言えば
タカシの従姉妹で日本から観光に来たサチコ(阿部純子)…
亡き父の遺灰を撒くために
父が好きだったインドネシアの景色を探しに来た…というのが本来の目的だったようですが

この子の存在って必要だった?

情緒が不安定すぎて
せっかくのホラーファンタジーが台無しになってしまったように思えました。


東日本大地震津波の架け橋的な存在?
…にしては浅薄な感じがしました。

まずまずお薦めの作品です。
スマトラ島の絶景が心を癒やしてくれます。
是非‼️


奥様は妊娠中

2019年のフランス映画です🇫🇷

脚本・監督はソフィー・レトゥヌール。



クレール(マリーナ・フォイス)は世界的な天才ピアニスト。
夫でマネージャーのフレデリック(ジョナタン・コエン)と共に日々世界中を飛び回っている。
子供は持たない、それが夫婦の共通認識だった。
ところが、パリ~ニューヨーク間のフライト中に緊急出産に立ち会ったフレデリックは、父になりたいとの強い思いに駆られ、クレールの避妊薬に細工をしてしまう。
狙い通りクレールは妊娠、どんどんお腹が膨らんで……。









有名ピアニスト夫婦の想定外の妊娠・出産を
ユーモアたっぷりに描いた辛口コメディです。

う〜ん
これってコメディ映画なのでしょうか?

フレデリックの一挙手一投足は確かにコメディタッチではありましたが

子どもを持たないと決めていた妻のピルを甘味料にすり替えて妊娠させてしまったフレデリック
これはレイプと同じですよね?

そんな風に考えると不愉快でした。

さらに不愉快だったのが妻クレール…
ピルの飲み方もわからない
掃除の仕方もわからない
全て夫任せ…

さらに
出産の仕方もわからない
(陣痛が来たらお産っていうことも知らないで、予定日に病院に行って、『今から産みたいんですけど』と言ってのける無知さ)

妊娠中なのに飲食喫煙し
その深刻味もわからない…

出産しても夫とは対象的に全然嬉しそうじゃないし・・・

クレールのピアノの師匠から諌められるシーンがありましたが

この女性…不愉快極まりなかったです😠
ちょっとASDっぽかったです。



ラストに赤ちゃんの長回しシーンがありましたが
可愛かったですね。



多分フレデリックがこの子を一生懸命育ててくれるだろうから
母性のない母親から産まれてきたけど
きっと幸せになれるよね?
なんて思いました。



この作品は何が言いたかったのでしょうか?
よくわかりませんが
フランス映画らしい皮肉は満載でした。

お時間があればどうぞ。


フェリチタ!

2019年のフランス映画です🇫🇷

監督はブルーノ・メルル。



父ティモシー(ピオ・マルマイ)、母クロエ(カミーユ・ラザフォード)とともに長期不在の家でこっそりとスクワッド(不法占拠)生活を送っている少女トミー(リタ・メルル)。
そんな一家の中で、時々イヤーマフをつけては自分の世界にこもってしまう11歳のトミーは、いつも冗談とは思えない作り話をする自由奔放な両親に驚かされながら、楽しく暮らしていた。
そしてある日、刑務所を出たばかりの父は『新学期一日目となる明日は、必ず車で学校まで送る』とトミーに約束する。
ところがその日に限って清掃のパート仕事に出た母が夜になっても戻らず、父とともにパニックに陥ってしまう。
果たして、母に何が起こったのか……。








夏休み最終日に感じる焦燥感を
ロードムービータッチで描いたファンタジーコメディです。

フランス映画らしいシュールでポップな作品で
たいしたストーリーではないのだけど
グイグイ引き込まれていきます。

登場人物が良かったんでしょうね。

タトゥーだらけの
いかにも悪そうな感じのお父さんだけど
家族を愛していて
見た目めなかなかイケメンでした。



お母さんもまとも人ではなさそうですが
やっぱり家族を愛していて
悪党の夫を見捨てない…
少女のようにキュートでした。



娘のトミー…
ミソフォニアなのか
あえてなのか
イヤーマフを着けていて
ちょっと変わった女の子でしたが
雰囲気があって可愛かったです。
多分ASDがあるかな?


この子役…監督の娘さんとのこと。
演技力抜群で将来が楽しみですね。

この両親…
どこまでがホントでどこまでがウソかわからないようなお話ばかりしています。

どんなに真剣なお話も全て冗談にしてしまいます。

一見とんでもない親で
これ、日本だったら児相が介入して保護しなきゃいけないケースにも見えるのですが

何だか家族みんなが幸せな感じなんです。

タイトルの『フェリチタ』とはイタリア語で『幸福』という意味です。

いろいろな家族の形
いろいろな生き方
いろいろな価値観

があって

幸福もいろいろなんだなぁ…

って思わせる作品だったと思います。



まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。
音楽も良かったです♪


バッドガイ 反抗期の中年男

2013年のアメリカ映画です🇺🇸

監督は主演も務めるジェイソン・ベイトマン
初監督作品です。
日本では劇場未公開作です。



40歳になってもバリバリの問題児であるガイ(ジェイソン・ベイトマン)は、優秀な子供を対象としたスペリング大会になぜか大人として出場資格を得る。
ガイは主催者のボウマン博士(フィリップ・ベイカー・ホール)などからバッシングを受けるが、出場を辞退する気はない。
会場のホテルに着くまでの機内で優勝候補で10歳の少年チャイタニヤ(ローハン・チャンド)と知り合ったガイは、2人で夜の街へ出かけ自由に遊び回る。
しかしその頃、ガイを取材する記者のジェニー(キャスリン・ハーン)は、ガイの出場理由が生き別れた父親のためで、それがボウマン博士であることを突き止め……。








邦題が??って感じですが
ヒューマンドラマとしてはかなりの秀作でした。


ルールの網をすり抜けて子どもの大会に大人が出場する…
目的はなんであれ、これはあり得ないというか、常識ある人ならやってはいけないことです。

そんな主人公のガイはとんでもないヤツですなのですが

邦題のように反抗期っていうのとはちょっと違っていたし

ライバルの子どもたちにプレッシャーを与えて蹴落とそうとする態度はクズだけど

天才的なスペリング能力(偏った能力)
社会性のなさ
人の気持ちがわからない
空気が読めない…

おそらくアスペルガー症なのかな?

って思いました。

なので、悪い人ではないんですよね。



『父親の喪失感』というのがストーリー根底にあって
コメディ要素は意外と少なめでしたが
結構楽しめる作品でした。

スペリング大会…なかなか面白かったですね。
アルファベットの国だからできる大会です。
私…英語は得意な方なのですが
知らない単語がたくさん出てきました💦

協会がガイを脱落させようとして
文章よりも長い単語を出題しましたが
あんな単語…聞いたことないです。

FLOCCINAUCINIHILIPILIFICATION…

意味わかりますか?

(『軽蔑』とか『無意味なこと』という意味で、ガイを非難する単語として登場しました)



なかなかお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。