湿地

2006年のアイスランドデンマーク=ドイツ合作映画です🎬

原作はアーナルデュル・インドリダソン。



アイスランドの湿地帯に建つ家屋で男性の死体が発見された。エーレンデュル刑事(イングバール・E・シーグルズソン)は捜査を開始。
部屋の中を捜索すると、引き出しの裏側に一枚の写真を見つける。
それは数十年前に起きたレイプ事件の被害者が生んだ娘ウイドルの墓の写真であった。
少女の墓を調べ遺体を掘り返すと脳がなく、悪性の脳腫瘍で亡くなっていたことが発覚。
刑事は、かつてホルンベルク(ソルステイン・グンナルソン)という男が行ったと思われるレイプ事件の被害者を探すことに……。








大どんでん返しはないものの
伏線も最後にきちんと回収されていて
ストーリー自体は普通に面白かったです。

決して難解なお話ではなかったと思うのですが

普段あまり馴染みがないような人名がたくさん出てきて(いわゆるトムとかキャサリンといったわかりやすい名前ではなかった)

さらに同じような顔の人ばかり出てきて

まずは人名と顔を一致させるのに苦労しました💦

で、ようやく人物相関図が理解できたところで
時系列がバラバラであることに気づき

え?
この人とこの人は父娘なの?
それとも兄妹なの?

と軽く混乱してしまい

最後の方になってようやく
『なんだー!そういうことだったんだー!』と理解できました。

ミステリーと並行して
家族愛や人生哲学も描かれていて
なかなか深いお話だったと私は思いました。


映像全体としては『湿地』というタイトルに象徴されるように暗澹として陰鬱な感じでした。

レイプという題材を扱ってはいますが特に過激なシーンはなく観やすかったです。
脳や胎児の解剖標本のシーンは苦手な方がいらっしゃるかもしれませんが。

ただ、主人公のエーデンデュル刑事が仕事帰りにドライブスルーで羊の頭を買い
それを自宅で貪るシーンはちょっとグロテスクでビックリしました💦


羊の頭を食べるのはアイスランドでは普通みたいです。
私たち日本人がマグロの頭(兜焼き)を食べるのと同じ感覚なんでしょうね、きっと。



ちなみに…
作中に出てくる悪性の脳腫瘍というのは
おそらくレックリングハウゼン病に代表される『神経線維腫症』だと思われます。
登場人物(罹患者)の皮膚にカフェオレ斑があったのですぐにわかりました。

難病ではありますが
“町中を巻き込むスキャンダル”
とか
“一族が抱える怖しい運命”
などとこの病気のことがセンセーショナルに描かれていて
それが残念ではありました😭

お時間があれば観てください。
決して爽快な気持ちにはなれない作品ですが。