アリスのままで

2014年のアメリカ映画です🇺🇸

原題は“Still Alice
リサ・ジェノヴァの同名小説が原作です。
監督はリチャード・グラツァー。

この映画の企画が上がった当時、グラツァー監督はALS(筋萎縮性側索硬化症)が悪化していて
ワッシュ・ウェストモアランド氏のサポートを得て本作を完成させています。

本作でジュリアン・ムーアが第87回アカデミー賞主演女優賞を受賞しましたが
その数週間後にグラツァー監督は逝去しています。

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↑生前のグラツァー監督です。


50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、大学での講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に家に戻るルートがわからなくなるなどの異変に戸惑う。
やがて若年性アルツハイマー病と診断された彼女は、家族からサポートを受けるも徐々に記憶が薄れていく。
ある日、アリスはパソコンに保存されていたビデオメッセージを発見し……。

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若年性アルツハイマー病は文字通り
高齢者ではなく
働き盛りの若年者に発症します。
通常は65歳未満とされていますが
平均発症年齢はアリスと同じ50歳前後と言われています。

高齢者のアルツハイマー病と病態は同じですが
最初はちょっとした物忘れや勘違い、集中力が低下してミスが増える等々の症状を呈し
うつ病と誤診されることがあります。

一般内科でうつ病の診断がなされて私の元を受診されたクランケで
実は若年性アルツハイマー病だった…というケースが時々あります。


若年性アルツハイマーは家族性に発症することがあり(家族性アルツハイマー病:FADと言います)、つまり遺伝性に発症することがしばしばです。


映画のお話に戻りますね。


アリスが発症してから進行していく様が淡々と描かれています。
感情表出が控えめで
まるでドキュメンタリー映画を観ているような錯覚に陥るほどでした。

アリス自身の葛藤…
言語学者なのに言葉が出なくなるという苦悩と
それぞれの事情を抱えた家族の葛藤が静かに交差し
実に上質なヒューマンドラマに仕上がっています。

アリス役のジュリアン・ムーアの演技が圧巻でしたね。

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大学教授というバリバリのキャリアウーマンが
次第におばあさんみたいになっていきます。

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アルツハイマー病の症状描写も完璧でした。


とても切ないお話です。

人生を捧げていたものが全て消えてしまう

というアリスの言葉が胸に突き刺さりました😭

お薦めの作品です。
是非‼️