少年


古〜い映画を観ました。
時々昔の名作を観たくなります。
1969年の日本映画です🇯🇵
監督は今は亡き巨匠大島渚です。



戦争で傷を負ったことを口実に定職につかない男(渡辺文雄)と彼の先妻の息子(少年)(阿部哲夫)。
男の同棲相手の女(小山明子)との間に生まれた子(チビ)(木下剛志)。
家族の絆が希薄な一家は当たり屋で生計を立てている。
一箇所で仕事を続けると足がつくという理由で、一家は次々と場所を変えて旅をする。
少年は車の前に飛び出す恐怖と両親への抵抗から何度も逃げ出そうと試みるが、結局は逃げた後に味わう孤独に打ちのめされて家族の元に帰るしかなかった。
そして、一家は反目しあいながら、とうとうその先には海しかない北海道の最北端まで辿り着くのだが……。







実際にあった『当たり屋一家事件』をモデルに制作されたロードムービーです。

大島監督らしいメッセージが含まれた少々難解な作品ではありましたが
『家族』と『戦争』…とシンプルにテーマを絞って観ればかなり面白かったです。

これは隠れた名作ですね。

傷痍軍人のお父さん…
歪んだ人格の持ち主でしたが、これこそまさに戦争の傷痕に他ならないように思えました。
早口で方言が強く、ちょっと何言ってるかわからないシーンがたくさんありましたが💦



大島渚監督の奥様である小山明子さん扮するお母さん(継母)…
若くてお綺麗で風水系の女性にしか見えませんでしたが
とても強くて愛情深い女性でした。



そして主人公の少年…
この子役くんは素晴らしかったですね。
適役がなかなか見つからなくて
大島監督が児童養護施設から見つけてきた素人さんだったそうです。
非常に目ヂカラがある少年で
憂いを秘めた表情は役柄だけではなく
孤児という背景が醸し出していたものだと知ってとても納得しました。
阿部哲夫さん…現在60代でしょうか?
今どこで何をなさっているのでしょうか?
本作主演をきっかけに次回作のオファーがあり、さらに養子縁組を名乗り出る方もいらっしゃったようですが、全てお断りしたそうです。

かなりお薦めの作品です。
是非‼️