ふくろう

2004年の日本映画です🇯🇵

脚本・監督は新藤兼人。91歳の時の作品です。



住民がいなくなって廃屋の群落となった希望カ丘開拓村で9体の白骨死体が見つかった。
しかし誰もいなくなった村で真相を知るものは森の主のような梟だけ…

開拓村に残る一軒の荒屋に住むユミエ(大竹しのぶ)と娘エミコ(伊藤歩)。
食べ物もなく餓死寸前となった2人はある計画を企て、美しく装い勧誘の電話をかける。
やがて、ダムの工事現場で働く男がやってくるが……。







不気味な作品…っていうのが序盤の印象でしたが、ストーリーが展開するにつれ、いろいろな感情が生じてきました。

売春と殺人を繰り返す母娘が天真爛漫すぎて
そこには陰鬱さなどひとかけらもなく
まるでコメディのような爽快さを覚えてしまうほどでした。

しかしお話の後半には様々な社会風刺が塗り込めらていて
閉塞感のようなものを感じました。

母娘が暮らす荒屋(板の間)のワンシーンしかなくて、いわゆる『密室劇』なのですが
カメラアングルや照明の感じが舞台演劇のようでした。

主演の大竹しのぶさん…怪演でした。
この人は田舎のおばちゃんからサイコパスまで
何でも演じることができる女優さんです。
常に下品で
しかも嫌味のない下品…
サイコーですね。


オーディションで選ばれた、当時は新人だった伊藤歩さんも素晴らしかったです。
本作では潔いオールヌードばかりが話題になったようですが
その演技力は注目に値すると私は思いました。



面白かったです。
売春が描かれていますが性的描写はなく
殺人シーンも残虐というより笑える感じで

そういう意味ではかなり観やすい作品だと思います。

お薦めです。