クリーピー 偽りの隣人
4年くらい前に新宿ピカデリーで観ました。
元刑事の犯罪心理学者・高倉は、刑事時代の同僚である野上から、6年前に起きた一家失踪事件の分析を依頼され、唯一の生き残りである長女の記憶を探るが真相にたどり着けずにいた。
そんな折、新居に引っ越した高倉と妻の康子は、隣人の西野一家にどこか違和感を抱いていた。
ある日、高倉夫妻の家に西野の娘・澪が駆け込んできて実は西野が父親ではなく全くの他人であるという驚くべき事実を打ち明ける。
サイコパス(反社会性パーソナリティ障害)のお話です。
香川照之さん演じる不気味な隣人は
まさにクリーピー!!
今更ながら凄い俳優さんです。
声、仕草、目線、ぎこちない動き…見事な怪演でした。
西島さんの妻役の竹内結子さんに関しては賛否両論みたいですが、普通に所帯染みた感じが私は良いと思いました。
“スッキリしない終わり方”であるとか
“あまり怖くなかった”
“盛り上がりに欠ける”
などの感想が並んでいましたが
この作品をホラー映画として捉えると確かにそうかもしれませんね。
けれどもこれはホラー映画ではないのです。
日常的に遭遇するかもしれない事象を普通に描いた作品だと解釈すれば、こんなに怖いものはありません。
だからエンディングはスッキリしなくていいんです。
私の臨床場面において、年に1〜2例くらいですがサイコパスを診る機会があります。
治療は不能です。
私にその技術はありませんし、たいていの精神科医が治すことが出来ません。
司法の手に委ねるしかないのです。
映画の全体的なレベルとしてはまあまあでしたが、原作を是非とも読んでみたいと思いました。