別離

2011年のイラン映画です🇮🇷

第61回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、最高賞である金熊賞と、女優賞、男優賞の2つの銀熊賞を受賞したスゴイ作品です。
第84回アカデミー賞ではイラン代表作品として外国語映画賞も受賞しています。
監督はアスガル・ファルハーディー



イランのテヘランで暮らすシミン(レイラ・ハタミ)とナデル(ペイマン・モアディ)には11歳になる娘がいた。
妻シミンは娘の教育のために外国へ移住するつもりだったが、夫ナデルはアルツハイマー病の父のために残ると言う。
ある日、ナデルの父の介護人のラジエー(サレー・バヤト)が父をベッドに縛りつけて外出し、その後父が意識不明で発見される。
激昂したナデルはラジエーを怒鳴りつけて追い出してしまう。
その夜、ラジエーが入院し流産したとの知らせが入り……。







離婚、介護、宗教などの社会問題を描いた人間ドラマです。

随所にイラン社会の不条理が垣間見られますが
実はこうした問題はイランという国に特別なことではなく、あらゆる国の現代社会に見られる病理であるということに徐々に気づかされます。


ナデルとシミンの離婚調停の場面から物語が始まり

その後はラジエーが流産したのはナデルのせいだと告発され

殺人罪に問われたナデルの裁判シーンがしばらく続きます。

審理が進むにつれ、様々な嘘が暴かれていき
ちょっとしたサスペンス的要素もあります。

まあどっちもどっちだよね…って感じなのですが

私はナデルにちょっと同情的に気持ちで観てしまいました。
責任感がない人(ラジエー)と声が大きい人(ラジエーの夫)が個人的に嫌いという理由からですが💦

自己チューな登場人物ばかりの中、ナデルとシミンの娘テルメーだけがまともでした。
すごーくイイ子でした。


この子役さん…演技力が抜群で素晴らしかったですね。
サリナ・ファルハーディーって子で、本作の監督さんのお嬢さんとのこと。


ある選択に対する答えが出ないままで本作はラストを迎えます。
消化不良感が否めないとのレビューも散見されますが

この映画を最初から観ていれば
わかりますよね?

2時間超の大作ですが、テンポが良く、また脚本力がある作品なのでストーリーにグイグイ引き込まれていき、気がつけばもうエンディング?…といった感じです。

かなりの良作です。
是非‼️