八つ
2016年のオーストラリア映画です🇦🇺
脚本・監督はピーター・ブラックバーン。
強度の強迫性障害に悩むサラ(リビー・マンロー)。
彼女は二年間も家に閉じこもったまま。
毎日いろいろな儀式が八回繰り返される。
しかし今日サラは一見不可能で簡単なの1つタスクを達成しようと試みる。
毎日いろいろな儀式が八回繰り返される。
しかし今日サラは一見不可能で簡単なの1つタスクを達成しようと試みる。
それは、ドアの外に一足踏むということ……。
強迫性障害の女性が朝起きてからドア1枚隔てた外に出るまでを描いた作品です。
80分全編ワンカットで撮影されています。
朝5時58分の目覚まし時計で起きて、アラームを8回押して止める…
トイレットペーパーは8つ折にして使う…
身体を洗う時は8回ずつ擦る…
電話は8回タップしてからとる…
こんな感じの儀式的行為が続きます。
不潔恐怖や強迫確認もあって
何度も何度もシャワーを浴びるので背中や腕は傷だらけになっています。
かなり重度の強迫性障害ですね。
私の外来にも強迫性障害のクランケがたくさんいらっしゃいますが
受診できる方はまだまだ軽症です。
強迫性障害の方はやたらとメモをしてそこかしこに貼りつけるという特徴がありますが
本作のサラもそうでした。
強迫性障害のクランケは外来にたくさんメモを持参されます。
それを全て読んでコメントするよう精神科医に強要してきますが
間違ってそのメモにちょっとでも触れるとパニックを起こしてしまいます。
強迫性障害についてあまりご存知ない方は本作をかなり強烈に思われたかもしれませんが
あれが彼らの日常なのです。
本作にメッセージは特になかったと思います。
こういう疾患があるんだってことを知って欲しい…ということなのでしょうか?
研修医向けの教育教材として役に立つ作品だと思いました。
ご興味があれば観てください。
サラの家族背景や支援者がいることはわかりますが
彼女が何故この病気になったのか?等は全く描かれていません。
ひたすら強迫行為の描写のみです。