もうひとりの息子

2012年のフランス映画です🇫🇷

脚本・監督はロレーヌ・レヴィ。




イスラエルで暮らすフランス系ユダヤ人家族の一人息子ヨセフ(ジュール・シトリュク)は、兵役のために健康診断を受ける。
その結果、医師である母親(エマニュエル・ドゥヴォス)は、息子とは血がつながっていないという衝撃の事実を知ることに。
ヨセフが生まれた病院のミスで、パレスチナ人家族の息子ヤシン(メディ・デビ)と入れ違っており……。









赤ちゃん取り違え事件と民族間対立問題を同時に描いたヒューマンドラマです。

赤ちゃん取り違えの映画と言えば、以前にこのブログでも紹介した是枝裕和監督の『そして父になる』が思い出されますが

イスラエルパレスチナという敵対する民族間での取り違えという重いテーマが加味された分、本作の方が見応えがありました。

なかなか日常的に起こる事件ではないのですが
こういう事態において

母(女性)は柔軟性がありますね。

ヨセフとヤシンのお母さんが『もうひとりの息子』という認識が持てるようになるのに対して

彼らの父親(男性)は現実逃避気味で

さらにヤシンのお兄さん(男性)も何だか情けなかったです💦

そして

これまでのアイデンティティを覆された当事者である2人が一番苦しいはずなのに
とても清々しかったのが本作の救いでした。

派手さはありませんでしたが
きめ細やかな心理描写は素晴らしく
本当に良い作品だったと思います。

かなり泣けましたが
安易なお涙頂戴ものではありません。

観終わった後も心に響きます。

お薦めの一作です。