はじまりへの旅

2016年のアメリカ映画です🇺🇸

第69回カンヌ映画祭『ある視点部門』で監督賞を受賞した作品です。
監督はマット・ロス。



アメリカ北西部の森の奥深くで、6人の子供と暮らしているベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)。
子供たちは社会と接点を持っていないが、厳格なベンが課す特訓と熱心な教育によって全員がスポーツ選手並みの体力を誇り、6か国語を自在に話し、長男(ジョージ・マッケイ)に至ってはあらゆる名門大学に合格していた。
そんな中、入院していた子供たちの母レスリー(トリン・ミラー)が他界し、一家は葬儀が行われるニューメキシコへ向けて旅に出ることに。
およそ2,400キロメートルもの長い道のりを行く彼らだが、世間知らずゆえに先々で騒動を起こしてしまう……。









家族のお話です。

森の奥深くで学校にも行かず
社会と交わらないで暮らしている一家を描いたロードムービーです。

う〜ん
これは賛否両論分かれる内容の映画ですね。

子供たちは心身ともに逞しく
おそらく学校教育では学ぶことができないようなスキルをたくさん持っています。
8歳の女の子ですら大学生並みの知識を有しています。
めちゃくちゃスゴイ!

でも何か違うんですよね。

この子たちは社会から隔絶されていることで
父親の教えのみを真としています。
つまり、視野が狭くて多様性がない。
家族以外の人と接していないので
他者を思いやったり気持ちを察するチカラに欠けている…

私はそんな風に思いました。

さらに
父親はかなりIQが高い人とお見受けしましたが
思想や認知にかなりの偏りがあり
子供がまるで洗脳されている状態…

途中で二男が反抗しますが
ああ、この子はまともなんだなー
なんて応援したくなりました。



変な家族…で済まされないお話ですね💦

お母さんの双極性障害を治すために森で暮らし始めた…なんてお父さんが言ってましたが

はぁ?

ですよ。

もっと早く医療に繋がっていれば
こんな結末にはならなかったのでは?
精神科医として思いました。

子は親を選べない!

そんな言葉が鑑賞中ずっと頭の中で響いていました。

思想や宗教なんていうのは自由だし
別に偏っていていいんだけど

窃盗を教えちゃダメですよ、お父さん。
遺体を冒瀆しちゃダメですよ、お父さん。

この父親に終始イライラさせられましたが
後半、髭を剃ったお顔がかなりのイケメンだったので

ま、許しましょう(笑)
ヴィゴ・モーテンセン、ステキですね。



お時間があればどうぞ。