さよなら、人類

2014年のスウェーデン映画です🇸🇪

第71回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、金獅子賞を獲得した作品です。



パッとしないセールスマンコンビのサム(ニルス・ヴェストブロム)とヨナタン(ホルゲル・アンデション)は、面白グッズ販売を目的にさまざまな人々を訪ね回っていた。
その際に彼らは、ワインを開けようとして心臓発作を起こしてしまう夫と異変に気付かない妻、天国まで持っていくと宝石入りのバッグを手放さない亡くなる直前の老女など、切なくもこっけいな人生模様を目の当たりにする……。









2000年に公開された『散歩する惑星』、2007年公開の『愛おしき隣人』と並ぶ3部作の完結編が本作です。
前の2作は観ていません💦

39シーンから構成されていて
全てのシーンが定点カメラで撮影されています。

あれ?
この映画…どこかで見覚えがある??
なんて思いながら観ていたら

思い出しました!

人力舎の芸人さんたちが定点カメラで次々とコントを繰り広げる『バカヂカラ』という作品。
これと手法が同じ作品だと気づきました。


人力舎の方は明るい笑いが満載ですが
本作はかなりシュールでブラックでした。

登場人物が何故か顔を白塗りしていて
???
でしたが
観ているうちに慣れてきて
何だかノスタルジックな気分になりました。


2人のセールスマンを中心に
様々なシチュエーションがまるで絵画のように描かれていて
その1つ1つに人間の愚かや儚さみたいなものが淡々と表現されています。

戦争や動物実験、黒人奴隷についてもサラッと盛り込まれています。

↓黒人奴隷をドラム缶で焼くシーンです。


好き嫌いが分かれる作品かもしれませんね。
オチがあるとかどんでん返しがある訳でもなく
起承転結もはっきりしない作品です。
だんだん飽きてきそうで飽きない作品…
ついつい引き込まれていく作品…

私はそんな風に感じました。

ま、本作は『哲学』そのものかもしれません。


邦題の『さよなら、人類』ですが
たまの『さよなら人類』に引っ掛けて付けられたのでしょうか?



原題は『実存を省みる枝の上の鳩』で
こっちの方がしっくりきます。

かなり変わった作品だと思います。
ご興味があれば観てください。