教誨師

2018年の日本映画です🇯🇵

主演の大杉漣さんの最後の主演作です。
大杉さんは本作でエグゼクティブ・プロデューサーも務めています。
監督は佐向大



受刑者の道徳心の育成や心の救済を行う教誨師の中でも死刑囚専門の牧師・佐伯(大杉漣)は、独房で孤独な生活を送る死刑囚たちの良き理解者だった。
6人の死刑囚たちに寄り添い対話を重ねる中、自分の思いがしっかりと届いているのか、彼らを安らかな死へと導くことは正しいことなのかと葛藤し、自身も過去と向き合う……。









派手な演出や音楽はなく
拘置場の一室で淡々と繰り広げられる対話劇です。

6人の死刑囚が全員個性的で
それを演じた俳優さんたちが本当に素晴らしかったです。

死刑囚の紹介をしますね。

①鈴木(古舘寛治
ストーカーをして家族全員皆殺しにした人。
途中で豹変します。
妄想性障害ですね。



②野口(烏丸せつこ
この人もパラノイアですね。
とにかくよく喋る大阪のおばちゃん。
リンチ殺人の首謀者。



③吉田(光石研
ヤクザです。人をいっぱい殺したようです。
最初はとてもフレンドリーなのですが・・・



④進藤(五頭岳夫)
ホームレスのおじいちゃん。知的障害があり
誰かに嵌められただけで冤罪かも??



⑤小川(小川登)
布団屋を経営する普通のお父さん。
3人殺していますが自白を強要されて認めてしまって死刑囚に。再審請求すればひょっとして…
※ちなみにこの方…俳優さんではなく監督のお知り合い。



⑥高宮(玉置玲央)
障害者17人を殺した人。
頭は良いのだが屁理屈ばかり。
サイコパスです(自分では統合失調症と言っていますが)。
おそらく『津久井やまゆり園事件』の植松聖がモデルかと思われます。
※本作が映画デビュー作だそうです。





特に玉置玲央さんは新人ながら素晴らしい演技でした。
主に舞台で活躍されているようで
本作で第73回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞されています。


死刑囚6人について思ったこと…

みんな全然反省してないやん!

教誨師ってお仕事…本当に大変だと思いました😭

それぞれの心に寄り添って語りかけるという点で
私たち精神科医に似ていますが
手法が全然違いますね。
精神科医はもう少し客観的です。

そして…
これが遺作となった大杉漣さん。
本当に良い俳優さんだったなぁってしみじみ思いました。

かなりお薦めの作品です。
2時間弱の映画ですが
物語に引き込まれて
あっという間にエンディングでした。
ストーンと終わります。