2020-12-26 コドモのコドモ 2008年の日本映画です🇯🇵公開当時、衝撃的であるとか倫理的に問題があるなどと騒がれた作品で小学校5年生が妊娠、出産をするお話です。原作はさそうあきらさんの同名コミックで監督は萩生田宏治さんです。負けん気の強い小学5年生の春菜(甘利はるな)は、ある日幼なじみの男の子と興味本位で“くっつけっこ”という遊びをした。後日学校で性教育の授業を受けた春菜は、妊娠したかもしれないと不安になる。大人たちに言えないまま、膨らんでいくお腹に戸惑いつつも、春菜と友人たちは自分たちだけの力で赤ん坊を守ろうと決意する……。久々にヒドイ映画を観ました。いや…原作がヒドイのか・・・命の大切さを扱った作品なんでしょうか?それとも単なるコメディなんでしょうか?医師としての感想を書かせていただきます。何の医学知識もない子供たちだけで物置のような不衛生なところで出産をする…ツッコミどころ満載ですがそんなことはどうでもイイです。小学生の妊娠…今時あり得ないことでもないかと思います。それについても特には言及いたしません。妊娠や出産がどれほど大変なものかということが全く描かれていません。まるで動物の出産みたいにあっさり産まれちゃうんですよね、この作品は。まるでお遊び感覚の出産。あ、子供ってカンタンに産めるんだ!超楽勝じゃーん!これを観た若い方がそんな風に思ってしまうのではないかと危惧しました。出産は命懸けなんですよ。どんなに医学が進歩した現代においても大変なことなんです。出産後の育児や生活についても…まるでクラブ活動の一環みたいな描かれ方をしています。稼ぎも学歴も人生経験もないガキがどうやって育てんねん!結局は親(赤ちゃんの祖父母)任せやん!産んじゃえば何とかなる!なんてこの映画を観て誤解してしまう人がいないことをただひたすら祈るしかありません。私が原作者だったらこの小学生たちを許しちゃダメ…にします。たくさんの試練を与えて人が人を産み育てることがいかに大変なことであるかを教え込みます。泣きながらゴメンなさいって言うまで。あるいは申し訳ないけれど死産という結末にします。出産ってカンタンじゃないんだ。安易に考えた私のせいで大切な命が失われてしまった。私は何てことをしてしまったんだろう…と後悔させます。もしこの作品が命をテーマにしたものだったとしたら、そこまで描かないとダメだと思います。もしこの作品が単なるコメディだったとしたら悪趣味なコメディですね。酷評ですみません。最近、妊娠・出産を軽く考える若者が多くてこの作品を通してお医者さんの立場から苦言を呈した次第です。私はそれなりに評価が出来る作品しかブログにUPしないのですがこの映画についてはあえて書かせていただきました。不愉快に思われる方がいらっしゃったらゴメンなさい。