ねじ式

1998年の日本映画です🇯🇵

つげ義春先生の同名漫画が原作です。

監督は石井輝男




売れない貸本漫画家のツベ(浅野忠信)はどん底生活の果てに遂にアパートの家賃が払えなくなり、内縁の妻である国子(藤谷美紀)と離れて暮らすことになる。
国子は世田谷にある会社の寮の賄婦として住み込みで働くようになり、ツベは知り合いの木本(金山一彦)のアパートに転がり込む。
ところが、ツベは国子が浮気をしているのではないかと心配でならない。
そんなある日、彼は国子が別の男の子供をはらんでいることを聞かされ、ショックで自殺を図るのだった。
木本のお陰で一命を取りとめたツベは、その後、放浪の生活と妄想に浸る日々を送るようになる……。










売れない漫画の幻想的な放浪生活と

とりとめのない妄想をシュールなタッチで描いたエロティックドラマです。


タイトルの『ねじ式』の意味は終盤で明らかになります。


本作は『ねじ式』だけではなく

つげ先生の幾つかの作品がオムニバス形式で纏められた映画のようで


そのため一貫したストーリーはなく

とても断片的で

ちょっと意味不明な感じも否めませんでした。


妄想世界が表現されているからなのか

全体的に暗めで赤っぽい映像です。

特に後半はエロシーン満載でしたが

リアリティはあまりなかったです。




つげ義春先生の作品を読んだことはありませんが
私の業界では有名な方です。

いろいろな精神科医がつげ先生の精神病理について語っています。

つげ先生自身は『不安障害』とおっしゃっていますが

おそらく『社交不安障害』が学童期からあって
やがて統合失調症の前駆状態となり(漫画を描くようになった頃)
その後発症されたのではないか?という説が有力です。
ご子息は統合失調症だそうです。

映画はかなり脚色が加わっているので何とも言えませんが

作品の傾向だけ見ると
スキゾフレニックな印象が強かったです。



主役のツベを若かりし頃の浅野忠信さんが演じています。



今は亡き名優も登場しています。


丹羽哲郎さん。
天才バカボンのパパみたいです💦


清川虹子さんもちょい役で登場。


あまり気合いを入れないで観た方がいいですね。
要は分析学的視点を持たないで観れば面白い作品なのではないかと思います。

昭和テイスト満載でノスタルジックでもあります。

お時間があればどうぞ。