嘘をつく男
1968年のフランス=イタリア=チェコスロバキア合作映画です🎬
20世紀の文学界に起こったムーブメント『ヌーヴォー・ロマン』を代表する作家アラン・ロブ=グリエの映画監督第3作で
ボルヘスの短編『裏切り者と英雄のテーマ』を下敷きに描いた作品です。
第二次大戦末期、スロバキア共和国の小さな村に、異邦人(ジャン=ルイ・トランティニャン)が突如現れる。
男はレジスタンスの英雄ジャン(イヴァン・ミストリーク)の同志ボリスだと名乗り、ジャンの妻ローラ(ズザナ・コクリコヴァー)や妹シルヴィ(シルビエ・トゥルボヴァ)が住む館に出入りし、彼女らを誘惑し始める。
さらに男は、館の女中マリア(シルビエ・ベレアル)にレジスタンスの活動中に囚われたジャンを救出する話をし、ジャンの隠れ場所や伝言について語るのだが、いつも話は肝心のところで終わってしまう……。
『嘘をつく男』が冒頭から巧みに嘘をつきまくりますが
時に整然と
時に感情的に放つ言葉は
もう嘘という次元を超えて
おそらく妄想の域に達しています。
ボリスは精神科医目線では単なる虚言癖ではなく
頭の良い統合失調症にしか見えなかったです。
彼は嘘をつきまくりながら
3人の女性を次々と口説くのですが
この女性すら果たして実在しているのか?
妄想の産物ではないのか?
などと観ながら懐疑的になってしまいました。
それくらい巧みな嘘…いや、妄想でしたね。
ストーリーは全く見えません。
迷宮入りの様相を呈しています。
しかし『ボリスの言葉遊び』という観点から考察すれば
とても面白い作品だったと思います。
病的なボリス以上に女性3人が私は不気味に感じました。
顔というかお化粧が怖かったです💦
よくわからないけど
後を引く作品でした。
観終わった後もずっとモヤモヤします。
お時間があればどうぞ。