見栄を張る

2016年の日本映画です。

監督は藤村明世



28歳の売れない女優・絵梨子(久保陽香)に、疎遠だった姉(真弓)が亡くなったという知らせが届く。
故郷に戻った絵梨子は、姉が葬儀で参列者の涙を誘う『泣き屋』の仕事をしていたことを知る。
その意義がわからないまま、軽い気持ちで泣き屋を始めるが……。









売れないアラサーの女優が姉の死をきっかけに人生を見つめ直す…という、ありがちなお話です。

そこに『泣き屋』という要素が加わり
お話を盛り上げてくれるのかと思いきや

地味に淡々と展開していき
全体的にはかなり雑な作品でした。

だから何?って感想しか残らなくて

田舎の親戚のおばちゃんたちが感じ悪かったなー

とか

主人公の彼氏である売れない芸人のヒモ具合が本当リアルだわー

くらいしか印象に残りませんでした💦

久保陽香さんはとてもお綺麗でしたが
役柄と同じで演技がイマイチでした。
(ファンの方がいらしたらすみません💦)



亡き姉の息子である和馬くんを演じた子役は上手でしたね。
岡田篤哉さん…現在14歳になっていますが
抑え気味の演技と微妙な感情表現が素晴らしかったです。



『焼きそば』が作中にちょいちょい登場するのですが
物語のキーワードになるのかな?
なんて思っていたら

特に意味はなく

元彼との海のシーンとかも???って感じでした。

なんかもうちょっとヒネリが欲しかったなー

お時間があればどうぞ。


八つ

2016年のオーストラリア映画です🇦🇺

脚本・監督はピーター・ブラックバーン



強度の強迫性障害に悩むサラ(リビー・マンロー)。
彼女は二年間も家に閉じこもったまま。
毎日いろいろな儀式が八回繰り返される。
しかし今日サラは
一見不可能で簡単なの1つタスクを達成しようと試みる。
それは、ドアの外に一足踏むということ……。








強迫性障害の女性が朝起きてからドア1枚隔てた外に出るまでを描いた作品です。

80分全編ワンカットで撮影されています。

朝5時58分の目覚まし時計で起きて、アラームを8回押して止める…

トイレットペーパーは8つ折にして使う…

身体を洗う時は8回ずつ擦る…

電話は8回タップしてからとる…

こんな感じの儀式的行為が続きます。

不潔恐怖や強迫確認もあって
何度も何度もシャワーを浴びるので背中や腕は傷だらけになっています。



かなり重度の強迫性障害ですね。
私の外来にも強迫性障害のクランケがたくさんいらっしゃいますが
受診できる方はまだまだ軽症です。

強迫性障害の方はやたらとメモをしてそこかしこに貼りつけるという特徴がありますが
本作のサラもそうでした。




強迫性障害のクランケは外来にたくさんメモを持参されます。
それを全て読んでコメントするよう精神科医に強要してきますが
間違ってそのメモにちょっとでも触れるとパニックを起こしてしまいます。

強迫性障害についてあまりご存知ない方は本作をかなり強烈に思われたかもしれませんが

あれが彼らの日常なのです。

本作にメッセージは特になかったと思います。
こういう疾患があるんだってことを知って欲しい…ということなのでしょうか?

研修医向けの教育教材として役に立つ作品だと思いました。

ご興味があれば観てください。
サラの家族背景や支援者がいることはわかりますが
彼女が何故この病気になったのか?等は全く描かれていません。
ひたすら強迫行為の描写のみです。


自虐の詩

2007年の日本映画です🇯🇵

業田良家先生の同名4コマ漫画が原作です。
監督は堤幸彦




子どものころから不運続きの幸江(中谷美紀)は、乱暴者で酒飲み、仕事もせずギャンブルに明け暮れるダメ亭主イサオ阿部寛)に健気に尽くしていた。
見かねた隣人(カルーセル麻紀)に別離を勧められ、パート先の店主(遠藤憲一)にしつこく言い寄られようとも、イサオと一緒にいることが何よりも幸せ。
そんなある日、刑務所帰りの父親(西田敏行)が幸江の前に現れる……。









笑い涙ありの
コメディ映画というか
ヒューマンドラマというか…

ラブストーリーですね、これは。

前半はディープなナニワの人情話みたいな内容でしたが
後半からはテンポがグングン良くなり
ラブストーリーへと展開していきます。

原作を読んだことはありませんが
面白かったですね〜

主演の阿部寛さんがもう圧巻でした。
パンチパーマにちゃぶ台返し
何でもこなせる役者さんですね。



幸江役の中谷美紀さんは美しすぎて
設定では『薄幸なブス』のようで
完全にミスキャストでした。
しかし演技力で作品を支えた感があって
お見事でした。



脇役も皆さん素晴らしかったです。

中学時代同級生だった熊本さんをアジャ・コングさん(大人になってドバイの富豪の奥さんになっていました)
右後方にいるのがダンテさん(熊本さんの夫)



アパートの隣のおばちゃんにカルーセル麻紀さん。
あんな感じの大阪のおばちゃん…いますね。



勤務先のラーメン屋店主に遠藤憲一さん。



幸江のお父さんに西田敏行さん。



他にもチョイ役ですが
Mr.オクレさんや松尾スズキさん、蛭子能収さん、島田洋七さん、竜雷太さん、名取裕子さんなども出演されていました。

まあまあお薦めの作品です。
最後まで観てください。
エンドクレジットの後にステキなシーンが待っていますので。




ブルー・リベンジ

2013年のアメリカ=フランス合作映画です🎬

第66回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した作品です。
監督はジェレミー・ソルニエ。



ボロボロの青色のセダンを根城にし、誰とも関わらないようにひっそりと生きているホームレスの男ドワイト(メイコン・ブレア)。
警察に呼び出された彼は、両親を殺した犯人が刑に完全に服すことなく刑務所から出されることを告げられて大きなショックを受ける。
やがて、すさまじい怒りに駆られた彼は復讐を決意。
セダンを激走させ、釈放された犯人のもとへと向かうドワイト。
だが、その復讐劇は思わぬ事態を引き起こし……。









一言で言えば
手際の悪い復讐劇
でしょうか?

冒頭は、ワイルドな風貌の主人公が黙々と復讐を遂げます。

特に台詞もなく
感情表出もなく
いかにもハードボイルドなアクション劇…

と思って観ていたのですが

その後がまるでコントのようで

殺人現場に車のキーを落としたり
タイヤを引き裂こうとしてナイフで自分の手を切ったり

まあおっちょこちょいな感じ満載💦

1人目の復讐を果たした後、主人公は髪を切って髭を剃りますが
するとそこに現れたのは軟弱そうな普通の青年…
あの冒頭のワイルドなお兄さんはいずこへ?

そんな感じのストーリー展開です。

↓BEFORE


↓AFTER

↑同一人物とは思えない💦

その後はドンパチが続きます。

両親を殺された真相がわかったり
学生時代のお友達が登場したり(←こいつがイイ奴だったりします)

結局

復讐なんて虚しいよね?

って後味悪い感じで終わります。

まあ面白かったです。

アメリカらしい作品ですね。

冒頭の海でカモメが飛ぶシーンはフランス映画っぽくて
ああ、米仏合作映画だわーなんて思いました。
フレンチテイストはそこだけですが。

お時間があればどうぞ。


ディア・ファミリー〜あなたを忘れない〜

2018年のアメリカ映画です🇺🇸

監督はエリザベス・チョムコ。



娘を連れてシカゴの実家に戻ってきたブリジット(ヒラリー・スワンク)。
そこには、認知症の母(ブライス・ダナー)に献身的に尽くしてきた父(ロバート・フォスター)と、自分の夢を諦めて両親の面倒をみてきた弟(マイケル・シャノン)がいた。
久々に集まった家族は、母の認知症という深刻な問題を乗り越えながら、新しい関係を築いていく……。









アメリカの比較的裕福な家庭の介護を巡る問題を描いた作品です。

高齢社会が到来した現代において
決して他人事ではない問題を本作は提起しています。

コメディ要素もどんでん返しもない静かなお話です。

家族の、そして夫婦のヒューマンドラマです。

良い作品でしたね。

出演している俳優さんたちが全員自らの立ち位置を踏まえた演技をしていてとても好感が持てました。

大人の演技というか
まさに大人の作品と言えると思います。

ネタバレになりますが
後半にお父さんが亡くなります。
認知症のお母さんは最初誰が亡くなったかわかりませんが
ふと夫のことを思い出します。
その時放った言葉が胸に滲みました。

完璧なタイミングだった
もっと遅ければ彼を忘れ去ってた‬
‪もっと早ければ恋しすぎた‬
‪今がちょうどいい‬

涙が出そうになりました。

エンドクレジットで流れる音楽も良かったですね〜♪

お薦めの作品です。


薄氷の殺人

2014年の中国映画です🇨🇳

第64回ベルリン国際映画祭金熊賞銀熊賞を受賞した作品です。
監督はディアオ・イーナン。




中国・華北地方で切断された死体の断片が次々に発見され、刑事ジャン(リャオ・ファン)が捜査に当たるが、容疑者の兄弟が逮捕時に射殺されたため詳細は誰にもわからなくなってしまう。
5年後、しがない警備員となっていたジャンは以前の事件と手口が類似した猟奇殺人が発生したことを知り、独自に調査を開始。
やがて、被害者たちはいずれもウー(グイ・ルンメイ)という未亡人と近しい関係だったことを突き止めるが……。








中国の映画…久々に観ました。
しかもベルリン国際映画祭で受賞したサスペンス映画ということでかなり期待していたのですが

まあ悪くはないかな?といった感想。

台詞が少なめで
事件の真相に至るまでの説明が少ないため
唐突な感じは否めず

え?
なんで急に犯人に行き着くの?
伏線あったっけ?

って思い、何度か巻き戻して観てしまいました💦

中国人ってみんな同じような顔をしていて(←私の完全な偏見かもしれませんが)
服装や髪型がみんな似ていて
髭の人が3人以上出てきたらもう識別できなくて
途中で誰が誰だかわからなくなってしまうという罠に陥りかけました💦

事件が一件落着して
これで終わりかな?って思っていたら
想定内のどんでん返しがありました。

で、本当に全てが終わり
最後にジャンが踊り出し
??と思いながらエンドクレジットを待っていたら

ラストにオチというか暗示めいたシーンがあって
『この後のことは自分で想像してね』って感じで終わりました。

↑この辺りの見せ方は巧いなって思いました。


中盤まではちょっと退屈感がありましたが
後半一気に面白くなります。
お時間があればどうぞ。


サイド・エフェクト

2013年のアメリカ映画です🇺🇸





金融マンであった夫マーティン(チャニング・テイタム)が違法株取引で逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー(ルーニー・マーラ)は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。
診察にあたる精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていたシーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談。
エミリーが抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗うつ薬の新薬アブリクサを投与する。
症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで刺されるという事件が起き……。









ソダーバーグ監督の最後の劇場用作品ということで話題になった映画です。
最後とか言いながらその後も撮り続けているようですが💦

精神科医の私からすれば
まあいろいろな意味で悪意に満ちた作品でした。

この作品を観た日には
精神科医抗うつ薬も信用できなくなりますね。

本作の中で登場する架空の抗うつ薬『アブリクサ』…
これって実在するエビリファイジプレキサを合体させたようなネーミングで
とても悪意を感じました。


こちらが実際のジプレキサ


なんかデザインというか色合いがすごーく似てるんですけどー

本作が製作された2013年と言えば
本来統合失調症の治療薬だったエビリファイジプレキサ双極性障害や難治性うつ病にも適応拡大された頃だったような…

もはや営業妨害です。

とはいえ
サスペンスとしては面白かったです。

前半は医療ドラマの様相でしたが
次第にいわゆる『巻き込み型サスペンス』に展開し

最後は爽快なオチで

こんなにスッキリと結末する作品…久々に観たような気がします。

作中にはいろいろな伏線が散りばめられていて
謎が解けた後にきちんとご褒美が待っていた…
そんな感じでしょうか・・・

さすがソダーバーグ監督です✌️

精神科医の私はこの結末を多分喜んではいけないと思うのですが💦

お薦めです。
是非‼️

ちなみに『サイド・エフェクト』とは『(薬の)副作用』という意味です。
ハゲ上がったジュード・ロウの側頭部効果という意味ではございませんのでww