あん

 2015年の日本=フランス=ドイツ合作映画です🎬

ドリアン助川さんの同名小説が原作です。
脚本・監督は河瀬直美



刑務所から出所したのち、どら焼き屋『どら春』の雇われ店長となった千太郎(永瀬正敏)の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。
徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。
そんな中、徳江はつぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナ(内田伽羅)と親しくなる。
ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り……。







退屈な作品でした。
退屈が故にいろいろ想像力を掻き立てられる作品でもありました。

ハンセン病をテーマにしたお話です。
ハンセン病療養所『全生園』がある東村山市でオールロケが行われ
地元の方々も出演されています。
そのせいか
ドキュメンタリータッチな感じがしました。

いや…
樹木希林さんの囁くような台詞回しと
樹木さんの実孫である内田伽羅さんの棒読みすぎる台詞のせいかもしれませんが。



前半は良かったです。

どら焼き屋さんの奮闘記っぽい感じと樹木さんのお茶目な感じが心を和ませてくれました。

永瀬正敏さんの陰鬱な演技と満開の桜とのコントラストも素晴らしかったです。

ところが
後半はとても重要なシーンが盛りだくさんだったのに
登場人物の心理描写がイマイチでした💦

なんかストーリーを急いだ感じがしましたね。

母親(水野美紀)に対するワカナの葛藤、千太郎とどら焼き屋オーナー(浅田美代子)の絡み、徳江の療養所でのお友達(市原悦子)の背景なんかがもう少し丁寧に描かれていたら
物語に面白味が増えたんじゃないかなぁ…なんて個人的には思いました。

ハンセン病について描いた作品だから
そういうのは必要なかったのかな?

…の割には、ハンセン病についても描かれ方が中途半端な感じが否めませんでした。

樹木希林さんの最後の作品です。
そういう意味ではお薦めの映画です。