愛のお荷物
古い映画を観ました。
1955年の日本映画です🇯🇵
監督は川島雄三。
戦後ベビーブーム。
結婚式を控えた末娘さくら(高友子)も、実は近づく結婚が待ち切れず、許婚の出羽小路亀之助(フランキー堺)との間に愛のお荷物が出来てしまっていたのだ。
斯くして新木家の人口は一躍倍以上にはね上ることに。
そして新木家の御婦人たちは一斉に出産の日を待つばかりとなったが、さて日本の人口問題はどうなるやら……。
戦後のベビーブームでどんどん増え続ける人口問題に危機を感じる政治家たちの無為無策と
上流階級の家庭内で次々と起こる妊娠騒動を
皮肉たっぷりに描いた重喜劇です。
『重喜劇』というワード…初めて聞きました。
軽い笑いばかりの喜劇ではなく、人間の真実を描いてずしりと腹に響く重い笑いの喜劇のことで
本作で助監督をされた今村昌平監督の造語らしいです。
テンポが良くて面白かったです。
『愛のお荷物』(=予定外に出来てしまった赤ちゃん)というタイトルも良かったです。
今なら、ましてや大臣がこんな表現をしたら大問題ですよね💦
この時代特有というか、川島雄三監督作品独特の
早口で情報量が多い台詞回しにはやや疲れましたが
登場人物が誰一人悪人じゃない(みんなそれなりにイイ人)というのでホッとできました。
エンディングのドタバタはやりすぎ感があって
少々稚拙な感じもしましたが
ドリフのコントのオチみたいで
許容範囲内でした。
大臣秘書役の北原三枝さんがめちゃくちゃ美しかったです。
昨今の女優さんには無いスタイルの良さと知的な雰囲気がステキで
昔の女優さんって本当に女優さんだったんだなぁ…ってしみじみ思いました。