あなたに言えなかったこと

1995年のアメリカ&スペイン映画です🎬

監督はイザベル・コヘット。

バルセロナ出身の映画監督・脚本家で『死ぬまでにしたい10のこと』も彼女の作品です。


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アメリカのとある田舎町。
カメラ屋で働くアン(リリ・テイラー)は恋人がプラハに転勤してしまうも、さして寂しさも感じず、日々送っている。

一方、昼は不動産のセールスマン、夜は悩み相談室『ホープライン』のカウンセラーをするドン(アンドリュー・マッカーシー)。
彼は悩める人たちの話し相手になることで、何とか自らの心を慰めていた。

そんなある日の夕方、アンは突然不幸のドン底に突き落とされた。
恋人からの別れ話。
放心状態で電話を置いた彼女は、その直後衝動的に除光液を飲み干した。

一命を取り留めるが、精神科医の質問にもろくに答えず、医師の元を飛び出したアン。
しかし独りになると不安になり、医師からもらった番号にダイヤルする。
電話に出たのは『ホープライン』のドンだった。

アンは彼に言葉を投げかけるが、彼女の欲しい言葉は何一つ返ってこなかった。

やがてアンら溢れ出す自分の思いをビデオカメラに向かって話すことを思いつく……。



アン、ドンを中心に、ドンが人生相談を受け持っているニューハーフやうつ病患者、アンに想いを寄せる隣人、元恋人のボブ、ドンの親…
いろいろな人物が少しずつ交錯しながら、それぞれの人生模様が描かれています。

携帯電話もPCもまだなかった1995年…
ビデオカメラが最先端だった頃の、ちょっとお洒落なラブストーリーです。

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優しいラストシーンに恋の奇蹟を信じたくなる…というコピーがついていましたが

う〜ん
もっとすごいラストシーンを期待していたので
え?こんなもん?
って感じでやや拍子抜けしました💦

そして主人公アン…
明らかに自己中オンナなのに、地味めな美人というだけでオトコは騙されてしまうんでしょうね(笑)
恋人との別れ話の電話で
『新聞に公表してやる!』と迫るアン…
なんか嫌だな…こんなオンナ💦

そしてドンはイライラさせられるタイプのオトコでしたが、何だかずーっと可哀想でもありました。


暇つぶしには良い作品だと思います。

シルク

2007年の日本=カナダ=イタリアの合作映画を観ました。


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19世紀のフランス。
若き軍人エルヴェ(マイケル・ピット)は、美しいエレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と恋に落ち結婚する。
幸せな結婚生活も束の間…エルヴェは蚕の卵の調達のため、遥か極東の地日本へ旅立つことに。

異国の地へ、遠く険しい道のりを進んだエルヴェだったが、案内された小さな村(山形)で取引相手原十兵衛(役所広司)の妻として仕える絹のような肌を持つ謎めいた少女(芦名星)に魅せられる。

彼女を忘れられず、命をかけて何度も日本へ渡るエルヴェ。
そんな夫を静かに見守り、変わらぬ愛で彼の帰りを待ち侘びるエレーヌ…
2人の愛はどこに辿り着くのか…?

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アレッサンドロ・バリッコの小説『絹』が原作。
監督はカナダの鬼才フランソワ・ジラールです。
そして音楽は坂本龍一先生が担当されています。

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映像がとにかくキレイでしたね。
ノスタルジックな音楽も心癒されました。

ただ…
ツッコミどころ満載ではありました。

登場人物がフランス人なのに誰もフランス語を喋らない(アメリカ人にしか見えない💦)
役所広司さん扮する日本人が英語ペラペラなのはいいんだけど、この時代にそんなって人いるの?

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それから芦名星さん扮する謎の少女…
う〜ん
難しい役どころだとは思いますが、単なる『頭の弱い子』にしか見えなかった💦
↑外国人から見た日本女性ってそういうイメージなんでしょうね💦

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さらに後半に登場する中谷美紀さん扮する娼婦マダム・ブランシュ…マリアのゆみみちゃんにしか見えなかった(笑)

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とはいえ、さすがの存在感でした!


大河ドラマにありがちな、何が言いたいのかわからないダラダラ感はありましたが

最後のどんでん返し(軽めの)には少しホロっと来ました。
↑多分この感情は男性にはわからないだろうなって感じですが。

100分少々の短めの作品ですし、そんなにテーマも重くないので気軽に観れます。

お時間があれば。


ふきげんな過去

ちょうど4年前に観に行きました@テアトル新宿

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北品川の食堂『蓮月庵』で暮らす果子(二階堂ふみ)は、毎日が死ぬほど退屈でつまらない。
けれどもそこから抜け出して他に行くことも出来ず、無為な毎日を過ごしていた。
ある日、果子たち家族の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が突然戻ってきて告げる。
『あたし生きてたの』。
戸籍も消滅している前科持ちの未来子。
そして自分が本当の母親だというが……。


面白くて変な映画でした。
コントのようなストーリー展開でしたが、随所に悲哀とウンチクが込められていて、深イイ作品でした。

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主演のお二人…
本当の親子みたいでした。
お顔や雰囲気も似ていましたね!

憧れの女性です。
こんな風に齢を重ねたい!
女性のお手本のような女優さんだと私は思っています。

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そして…
高良健吾さんがミステリアスで素敵でした♪

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良い映画でした。


遊び

またまた古い映画を観ました。

高橋惠子さんが関根恵子さんだった頃…
1971年の日本映画です🇯🇵
最近高橋惠子さんと以前一緒にお仕事をしていたという方と知り合いになり、いろいろな作品を観てみようかな?なんて思って観ました。
監督は増村保造
倒産直前の大映で撮った最後の作品だそうです。
野坂昭如先生の『心中弁天島』が原作です。

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ダンプの運転手だった父(内田朝雄)が死に、造花の内職をする母(杉山とく子)と病気の姉(小峯美栄子)を抱え、十六歳の少女(関根恵子)は町工場で働いている。
受け取った給料はそのまま家に送り、彼女は休みの日も寮に閉じこもっていた。
ある日かつて工場で働いていたヨシ子(甲斐弘子)がやってくる。
今はキャバレーのホステスをしているヨシ子は店のマネージャーを伴っていて、ホステスの生活を話して聞かせるのだった。
少女はヨシ子に会うため街に出て電話帳を調べているときに、背の高い少年(大門正明)に声をかけられた。
少年はヤクザの使い走りのようなことをしているチンピラだったが、やがて純真な少女に心を惹かれていく……。

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恵まれない家庭環境で育った10代の男女が街で出会い
純粋な気持ちをぶつけ合いながら
やがてお互いに恋心を意識していくという…
ある意味青春ストーリーです。

登場人物の感情があまりにもストレート過ぎて
観ていて何だか恥ずかしくなりました💦

みんな貧乏で
投げやりで
刹那的で…
そういう時代だったのでしょうか?
重くて後味が悪かったです。

大自然を背景に
登場人物の2人がフェイドアウトしていくシーンはまるでフランス映画みたいで切なかったです。

う〜ん…
何が言いたい作品だったのか?
何となくわかるんだけど
何となくわからない💦

テンポの良い展開で観ていて飽きることはなかったのですが
モヤモヤが残る作品だったと思います。

お時間があればどうぞ。

※予告編はありません🙇‍♀️
以前YouTubeに公開されていたのですが
いつの間にか削除されていました。

タクシー運転手 約束は海を越えて

2017年の韓国映画です🇰🇷

1980年の光州事件時の実話を基に描かれた作品です。
監督はチャン・フン




1980年の韓国。
ソウルで11歳の娘を一人で育てながらタクシー運転手をしているマンソプ(ソン・ガンホ)は、大金に目がくらみドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せて光州に向かう。
マンソプの機転で見事に検問をくぐり抜け、二人は光州に入るが、ピーターは『危険だからソウルに戻ろう』と言うマンソプの言葉を聞かず、撮影を始め……。









140分弱という長めの作品でしたが
テンポが良く、濃厚なストーリーで
あっという間にエンディングを迎えました。

前半はコメディタッチでクスッと笑える場面が満載でしたが
中盤から一気にシリアスになりました。

光州事件』…当時まだ子供だったので覚えていません。
こんなことがお隣の韓国で起こっていたなんて
知りませんでした。

これが実話を基にした映画だなんて
かなりの衝撃を受けました。

特に光州からの脱出劇は圧巻でしたね。
アメリカ映画で観るような華麗なカーチェイスではありませんでしたが
ハラハラドキドキもんでした。

実話とは異なる家族の物語も作中に描かれていて
最後は自然と涙が流れてきました😭

素晴らしい作品でした。

実在のドイツ人記者(ユルゲン・ヒンツペーターさん)は映画が公開される前年に亡くなったそうです。
本作の最後にご本人が登場されています。
タクシー運転手のキム・サボクさん(本作ではマンソプという役名)との再会を願ってその後ずっと探していたそうです。

本作が公開後、キム・サボクさんの息子さんが名乗り出られたそうですが
サボクさんは光州事件の4年後に癌で亡くなっていました。


↑実際のお2人の写真が残っていました。

かなりお薦めの作品です。
是非‼️


麦子さんと

2013年の日本映画です🇯🇵

監督は吉田恵輔

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声優をめざす麦子(堀北真希)は、頼りない兄(松田龍平)と二人暮らし。
専門学校への入学金をアルバイトで稼ぐ日々を送っていた。
そんなある日、自分たちを捨てた母親(余貴美子)が突然舞い戻ってきた。
顔も覚えていない母との生活に戸惑う麦子。
そして投げつけた一言は、「あなたのこと、母親だと思ってないから」。
その言葉を最後に、母は帰らぬ人となった……。

兄に押し付けられ、母の故郷へ納骨に行くはめになった麦子。
そこで初めて、母は町のアイドルだったことを知る。
さらに、麦子は若き日の母に瓜二つだった。
アイドルの再来に色めき立つ町の人々に振り回されながら、麦子は母の青春、人生を初めて知ることになる……。

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家族愛を描いたとても良いお話でしたが
その割には心にジワジワ来るものがあまりなくて残念でした。

私はあまり泣けなかったですね。

ファンの方には申し訳ありませんが
堀北真希さんの演技…狙っている感があまりにも強くて、白々しく思えました。
immatureな部分以外はミスキャストだったような…💦
もっと実力派の女優さんが主演なら泣けたかもしれません。
エンディングで流れる松田聖子さんの『赤いスイトピー』にはホロっと来ましたが。

そんな堀北真希さんのためのアイドル映画のような作品ではありましたが
脇を固める俳優さんたちが大人な演技で
それが唯一の救いではありました。

温水洋一さんと麻生祐未さんはさすがでした。
彼らの存在がなければ軽薄なストーリーになっていたかもしれません。

松田龍平さんもイイ役者さんなのですが
堀北さんが前面に出過ぎて
彼の良さが今ひとつ描かれていなくて残念でした。
ストーリー的にもっとお兄ちゃんと絡んで欲しかったなぁ。

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余貴美子さんはまさに適役でした。
可愛すぎる❗️(笑)
すぐに死んじゃいましたが
一見ちゃらんぽらんな感じだけど内面から滲み出る母性がしっかりと表現されていて
ホント、素敵な女優さんですね。

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テーマの割には軽く観られる作品かと思います。
お時間があればどうぞ〜✌️


羊の木

2018年の日本映画です🇯🇵

山上たつひこ先生といがらしみきお先生による、第18回文化庁メディア芸術祭優秀賞(マンガ部門)に輝いた作品にアレンジを加えて実写映画化した作品です。
監督は吉田大八。



市役所の上司から、新たに受け入れることになった6名の転入者の対応を極秘に任された月末一(錦戸亮)。
やがてやって来た福元(水澤紳吾)、太田(優香)、栗本(市川実日子)、大野(田中泯)、宮腰(松田龍平)、杉山(北村一輝)は各々別の殺人罪で懲役刑をうけ仮釈放中の身だった。
宮腰は年齢が近かった月末が高校時代から組んでいたバンドに加わるようになり、メンバーの文(木村文乃)と恋仲になるのだが……。









6人のプロフィールは以下の通りです。








前半は何かが起こりそうな不穏な空気があちこちに漂っていてワクワク感満載でしたが

後半からエンディングにかけては
う〜ん…
なんか薄っぺらな感じになっちゃいましたね💦

訳ありの人が6人も登場していて
映画という枠組みの中で全員の心理描写を丁寧に描くというのが困難なのはわかるのですが
とはいえ、もうちょっと何とかならなかったかしら…といったモヤモヤ感が残りました。

発想は面白かったのに
予想通りの展開と
ありきたりの結末でした。
ホント残念でした。

ただ、出演された俳優さんは皆さんイイ味出していましたね〜✌️

優香さんの妖艶さと松田龍平さんのサイコぶりは圧巻でした。

北村一輝さん…大好きな俳優さんですが
本作ではイマイチ影が薄かったような💦
もっと暴れて欲しかったです。

お時間があれば観てください。