風の中の牝雞
1948年の日本映画です。
脚本・監督は小津安二郎。
夫を戦地へ送り出した時子(田中絹代)は苦しいながらも子供と二人で生活していた。
時子は友人の秋子(村田知英子)に着物を預け、同じアパートに住む織江(水上令子)に買ってもらうことで生計を立てていた。
ある日、息子の浩(中川秀人)が病気になり入院してしまう。
治療で浩は回復するが、時子には治療費を払うことができない。
織江に相談した時子は一夜だけ体を売ることで収入を得てしまう。
浩は無事に退院するが、数日後、夫の修一(佐野周二)が突然帰ってきた。
修一は浩の入院を知り、その治療費について時子に問い詰める……。
子供の入院費を工面するために1回だけ身体を売った妻と、それを許せない復員後の夫の葛藤を描いた作品です。
戦後の夫婦観とはこういう感じだったんですね。
私には全く理解できませんでした。
売春したことを夫に喋ってしまう妻…
どうして墓場まで持っていかないの?
真実が人を傷つけるってこと、わからないのかなー??
頭悪すぎ💢
って思いました。
そしてさらに…
最後の方でとても衝撃的なシーンがありますが
(ヒントは『蒲田行進曲』でもお馴染みのシーン)
これって今だったら単なるDVやん!
普通はこんな夫とは離婚でしょ?
って思いました。
ま、この時代は女性が簡単に離婚したり自立できなかったので仕方ないのですが
田中絹代さん…
怒っていいよ!
って思いましたが
こんなに酷いことをされたにもかかわらず
『私が悪いの。ぶってください』
と田中絹代さんに言わしめる男尊女卑の時代背景…
うんざりしてしまいました。
いろいろ腹が立つ作品でしたね。
ところで
夫役の佐野周二さん…
あの関口宏さんのお父様だそうです。
めちゃくちゃイケメンでした。
戦後の病院が登場しましたが
これが病室です。
ペニシリンって書かれた箱が置いてあって
何故かビール瓶??
かなりイカれていました(笑)
ストーリーはシンプルでわかりやすく
短めの作品ですので
お時間があれば観てください。