銀行を爆破せよ!

1964年のフランス映画です🇫🇷

監督はジャン・ジロー




『半年で2倍になりますよ』という銀行家マルイユの甘い言葉に騙されて鉱山に投資し、全財産を失った商店主のビクトル(ルイ・ド・フュネス)。
神父の『悪意をもって盗まれたのなら、取り返して悪行に気付かせよ患者という説教を聞き、銀行に強盗に入ることを決める。
奇しくもビクトルの店は銀行の向かい。
強盗界隈に詳しい次女コリーヌ(カトリーヌ・ドモンジョ)のアドバイスを受けて、地下室からトンネルを掘る……。









銀行に勧められた株投資で全財産を失った男が
家族と一緒に銀行に通じる地下にトンネルを掘って損失したお金を取り戻そうとするお話です。

フランス映画らしからぬドタバタコメディで
めちゃくちゃ面白かったです。
ドリフのコントみたいでした。

主役のビクトル役の俳優さん…
『フランスの喜劇王』と呼ばれた方です。
キャラが立っていましたね。



ビクトルの家族も全員ノリノリで
良いキャラを出していました。


長男のジェラールくん…
パッと見情けない感じの青年でしたが
トンネル掘りでは一番の貢献者でした。


ジェラールくんの彼女…
のちにフラれますが
全身豹柄女子でした💦



長女のイザベル…
しっかり者の印象でしたが
恋をしてダメダメになる典型的な女性でした。
とても美人さんでした。



次女のコリーヌは賢い娘でした。
彼女がいなかったらトンネル掘りは成立していなかったかも。



ビクトルの奥さんもお綺麗な人でしたが
ちょっと頭が悪かったかも。
肝心な時に余計なことを言うおばちゃんタイプ。



最後にどんでん返しがありますが
そんなに意外ではない結末でした。

まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。


デッドリー・ブライド 殺人レシピ

2017年のアメリカ映画です🇺🇸

監督はフレッド・オーレン・レイ。




工具店を営む家族の長男チャーリー(キャメロン・ジェボ)が、パティシエのヘレナ(ブリタニー・アンダーウッド)と出会い電撃婚約。

結婚式の準備が着々と行われ、姉のレベッカ(シャーリーン・アモイア)も参列するため車で駆けつけた。
孤児として育ったヘレナは、昔から姉を欲しがっていたこともあり、同じく孤児だったレベッカに会うのを楽しみにしていた。
そこへ菓子店を営むマズレクが結婚式当日のケーキの試作品を持って来訪。
ヘレナとは初対面のはずだったが、マズレクは去年、トロントで行われた菓子祭でヘレナと会ったことを思い出す。
だがヘレンはトロントには行ったことがないと憤慨、結婚式のケーキも自分で作るからと言い放つ。
その過敏な反応に違和感を覚えたレベッカのところへ、マズレクから母親宛に電話がかかってくる……。










家族への異常な憧憬を抱いたサイコパスの女性が
結婚を邪魔する(←彼女の妄想)人たちを次々と殺していくサイコホラー映画です。

う〜ん
まるで昼ドラでしたね💦

殺し方がかなり杜撰で
どうして警察が事故死として処理するのか不思議でした。

ヘレナが現れてからそれに纏わる人たちが死んでいってる訳だから
レベッカ(真相を究明しようとするヘレナの婚約者の姉)以外の人も普通不審に思うはずなのに…

この家族は全員頭が悪いのでしょうか?

などと思ってしまいました。


ツッコミどころ満載でしたが
それが却って私は面白かったです。


ヘレナ役の女優さん…可愛かったですね。
ファッションも素敵で
以前このブログでも紹介した『ミス・メドウズ』みたいな感じでした。


ラストは予想通りでしたが
ヘレナがスッピンで登場するシーンがあって
う〜ん
別人のようでした💦

まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。



マイ・マザー

2009年のカナダ映画です🇨🇦

脚本・監督はグザヴィエ・ドラン

主演もしています。





ケベックにある、何の変哲もない町に暮らす17歳の少年ユベール・ミネリ(グザヴィエ・ドラン)。
ほかの若者たちと変わらない普通の青春を過ごす彼だったが、二人暮らしを送っている母親シャンタル(アンヌ・ドルヴァル)との関係に悩んでいた。
センスのないセーターや、度重なる小言など、彼女の全てが気に障り、その愛憎が入り混じった感情に振り回されていく。
そんな中、ユベールは幼少時代からなじみのある風景で、セント・ローレンス川沿いの土手に座っている母親を見つけたのを機にある決意を固める……。









母親と2人で暮らす少年が、彼女を愛しながらもその存在を拒否してしまう複雑な感情に悩まされながらも成長する姿を描いた作品です。


無名の青年が17歳で書いた自伝的短編『Le Matricide(母殺し)』が基になったお話です。


子離れできないヒステリックな母親と

反抗期のマザコン息子の心理がリアルに表現されていますが


まあどっちもどっちだな…って感じで苦笑してしまいました💦


19歳の監督が紡いだ作品としては完成度が高く

題材自体も面白かったですね。


お母さんが名演技でした。

ちょっと下品でうざったくて

カナダ版大阪のおばちゃん的な感じでした。


↑ファッションもなかなかの下品さで

ショッキングピンクに黒いリボンがついたこのお洋服…かなり不気味でした💦


主役のユベールくんが独白しながらストーリーが進んでいきますが

母子の会話劇としても面白かったです。


まずまずお薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。



鉄道運転士の花束

2016年のセルビア映画です🇷🇸

監督はミロシュ・ラドヴィッチ。




鉄道運転士の家に生まれた60歳のイリヤ(ラザル・リストフスキー)は、在勤中に28人をひき殺した経験を持つ。

彼は偶然出会った少年シーマ(ペータル・コラッチ)を養子に迎え、19歳になったシーマはイリヤの仕事を継ぐ準備をしていた。

大事な息子を人殺しにしたくなかったイリヤはシーマを運転士にさせまいとするが、息子は養父の仕事に憧れていた……。











定年間近の鉄道運転士が同じ仕事に就いた息子を一人前の運転士に仕立て上げる姿を

ブラックユーモアを交えた描いたコメディドラマです。


お国柄が違えば…なんでしょうか?

人を轢いて一人前!

みたいな考え方のセルビアの鉄道運転士にはビックリしてしまいました。


不謹慎かもしれませんが

面白いお話でした。


前半はテンポ良くて

特に人身事故を起こした後のイリヤへのセラピーは思わず笑ってしまいました。


後半はシーマを一人前にするために奮闘する大人たちの様子が面白くて


最後のオチは何となくわかりましたが

ハッピーエンドで良かったです。



イリヤは一瞬ボケちゃったかな?って思いましたが
まあ現実逃避の一種だったのかな?
詳細は本編をご覧ください。

イリヤ役の俳優さんがイイ味出していましたね。



まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。
90分弱の短い作品です。
音楽も良かったです♪


千羽づる

1989年の日本映画です🇯🇵

手島悠介先生の同名小説が原作です。

脚本・監督は神山征二郎




昭和29年4月、広島。
理髪店を営む佐々木夫妻(前田吟&倍賞千恵子)の娘・禎子(広瀬珠実)は小学6年生になった。
活発で心の優しい禎子は友達も多くスポーツも得意。
秋の運動会では駆けっこでクラスを優勝に導くなど楽しい学校生活を送っていた。
しかし秋の終り頃、禎子は風邪をひいてリンパ腺を腫らした。
なかなか治らないので近所の医者はABCC(原爆傷害調査委員会)の検査を受けるよう勧めた。その結果、禎子は風邪ではなく被爆が原因の白血病だった。
昭和20年8月6日、広島に原爆が投下された時に禎子は爆心地から2キロ離れた所におり、黒い雨を浴びたのだった……。










幼くして被爆した少女が小学6年生で白血病を発症して亡くなるまでの短い生涯を描いた作品です。


原爆の子の像』のモデルになった佐々木禎子さんのお話です。




こちらが実際の佐々木禎子さんです。




白血病は現代においても難病ですが

治療法も何もなかったこの時代…

家族も医師も無念だったと思います。


若い方に是非観ていただきたい作品だと思いました。


禎子さん役の子役…良い演技でした。

現在44歳ですがもう俳優はされていないのでしょうか?




両親役に前田吟さんと倍賞千恵子さん…

どうも『男はつらいよ』のイメージが強くて

最初なかなかストーリーに入り込めませんでした。



倍賞千恵子さんの感情表出を抑えた繊細な演技…

素晴らしかったです。


戦後まもなくの時代で

難病に罹患しても本人に告知しないのが常の時代でしたが

禎子さんにも伝えてない余命を教室で皆に告知する担任の先生…


なんだかなー

って思いました。



休日に生徒たちを自宅に呼んだり

潮干狩りに連れて行ったり

さらには

修学旅行で騒ぐ女子生徒のお尻をつねったり…

今だったらかなり問題のある教諭ですが

これも古き良き時代ということなんでしょうか?


禎子さんを担当する看護師役で石野真子さんが出演されていました。

可愛かったです。

本作のエンディング曲は彼女が歌っています。





とても悲しい実話です。

お時間があればどうぞ。



メランコリック

2018年の日本映画です🇯🇵

監督は田中征爾。





東京大学を卒業したが冴えない毎日を過ごしていた和彦(皆川暢二)は、ある夜偶然訪れた銭湯で高校の同級生・百合(吉田芽吹)と再会する。
そこでアルバイトを始めた和彦は、その銭湯が営業を終えた後、風呂場を『人を殺す場所』として貸し出していることを知る。
そして同僚の松本(磯崎義知)は殺し屋だった……。








閉店後に殺人の場所として使われる銭湯を舞台としたサスペンスコメディです。

無名の役者さんばかりでしたが
それぞれのキャラが立っていて
ストーリーも面白かったです。

銭湯で殺人ってなかなかのグッドアイデアですね。
誘拐して連れ込む所さえ見られなければ
釜で遺体を焼却できるし
血は洗い流せるし…
完全犯罪が可能で
この発想はなかったですね💦

終盤にどんでん返しがあって
面白さが加速しました。

主人公の和彦くん…
東大卒だけどコミュ障で冴えない男子かと思いきや
メガネを外すと結構イケメンでした。



同僚の松本くんが特に良かったです。
根性座っていて
礼儀正しくて
とてもイイ子でした…
殺し屋でしたが。



まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。


スクールズ・アウト

2018年のフランス映画です🇫🇷

脚本・監督はセバスチャン・マルニエ。




門中学校である日授業中に先生が飛び降り自殺を図るという事件が起こる。

後任にやって来た代用教師のピエール(ローラン・ラフィット)はあまりにも無関心すぎる生徒たちに違和感を抱き、彼らが密かに危険なことをしていると動向を調べ始める。

するとそこには信じ難い事実があった……。










門中学のエリートコースを担当することになった教師が

優秀な生徒たちの計画に翻弄される様を描いた学園ホラー映画です。


『ホラー映画』の括りではありますが

社会風刺的な

いかにもフランス映画らしい不可解な作品でした。


賢すぎる6人の中学生たちがある企てをするのですが

単にイキった中学生にしか見えなくて

かなりムカつきましたね。

特にこの娘。



大人を馬鹿にするんじゃねーぞー

とイライラしながら観ていましたが


彼らの真意を追求すべく奔走するピエール先生は

本当に良い人でした。




絶望からようやく引き上げられた子供たちでしたが

ラストで全てが台無しになってしまう…

不条理の極みみたいなお話でした。

詳細は本編を観てください。




福島の原発事故や東日本大地震津波の映像が登場します。


さらにゴキブリがたくさん出てきますので

閲覧注意の作品です。


冒頭の担任の飛び降り自殺は結局その理由がわからないままでしたね。


さらにイタズラ電話も意味不明でした。


お時間があれば観てください。