不安の種

2013年の日本映画です🇯🇵

中山昌亮先生のコミックを実写化したホラー映画です。

監督は長江俊和



不思議な出来事が頻発する地方都市、富沼市。

バイクで事故に遭ってしまった誠二(須賀健太)に助けを求められたバイク便ライダーの巧(浅香航大)。

しかし誠二は医学上は死亡していた。

誠二は意識が遠のく中、誠二と巧を遠くから眺める恋人・陽子(石橋杏奈)との出会いを思い出す。 

その後バイク便ライダーを辞めた巧は、次のアルバイト先で陽子に出会い……。








あるバイク事故をきっかけに次々と顕になる怪奇現象の謎を描いた作品です。


一見オムニバスのような感じですが

途中でお話が繋がっていく…かと思いきや

時系列がバラバラで

それが観ている人の最大の『不安の種』でした。


程よく怖くて

小ネタが盛り込まれ

まあまあ面白かったのですが

テンポがイマイチだったかな?


陽子って女性が結構ムカつくキャラでしたね。

美人さんでしたが。



誠二と巧は全然違う顔だったにもかかわらず

途中でどっちがどっちの設定だか分からなくなってしまいました💦


お時間があればどうぞ。


心と体と

2017年のハンガリー映画です🇭🇺

第67回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した作品です。

監督はイルディコー・エニェディ




ブダペスト郊外にある食肉処理場の代理職員マーリア(アレクサンドラ・ボルベーイ)は、人とのコミュニケーションが苦手で、同僚たちに馴染めずにいた。

そんな彼女を、片手が不自由な上司エンドレ(ゲーザ・モルチャーニ)が気遣うがうまくいかない。

ある日、牛用の交尾薬を盗んだ犯人を捜しだすために、従業員全員が精神分析医のカウンセリングを受けることになる。

それを機に、マーリアとエンドレが同じ夢を見ていて、その世界で鹿として交流していたことがわかる……。









食肉工場で働く自閉スペクトラム症の女性とその上司が

同じ夢をみたことをきっかけに距離を縮めていく様を描いた恋愛映画です。


森の中で佇む2頭の鹿の映像がとても神秘的でした。


それとは対象的に描かれていた屠殺された牛の姿が


幻想とリアルあるいは静謐と残酷を象徴しているようで


何だか切ない気持ちになりました。


この作品はあまり深読みしないで観た方がいいかも。


不器用な男女の、普通の恋愛ドラマとして観た方がわかりやすいと思います。


血がたくさん出てきますので

生理的にダメって方もいらっしゃると思いますが


主人公の女の子と鹿が息を呑むくらい美しかったのでそれで相殺されるはずです。



個人的には素敵な作品でした。

お時間があればどうぞ。


村の秘密

2015年のオーストリア映画です🇦🇹

監督はアンドレアス・プロハスカ。



オーストリアの山岳地帯。
閉鎖された鉱山で地元の議員の娘が死んでいるのが発見された。
警官のハネス(ゲルハルト・リープマン)はこれを事故として処理しようとするが、都会からやってきた刑事ハインリッヒ(ジーモン・ハッツル)が殺人事件として捜査を開始する。
やがて村人が隠したい秘密が次々と明らかになっていくのだが……。








オーストリアの田舎町で起こった殺人事件を描いたサスペンス映画です。


内容的には2時間ドラマ的な感じで


怪しい人が次々と登場し

みんな人に知られたくない秘密を持っていて

それゆえ怪しく見えただけで


その後意外な人が犯人だと判明!

(どんでん返しという程ではなく)


あっという間にエンディングとなりました。


普通にありふれたサスペンスでしたが

普通に面白かったです。


主人公のハネスさん…良い人でしたね。 


彼のお父さんは仏教にハマった変な人で

幼少期からの家庭内葛藤なんかも描かれていましたが


ハネスのパーソナリティ形成にどんな影響を与えたのかとか

現在の父子関係が実際はどうなのかといったことについては雑にしか描かれていなくて


だったらお父さん…普通の設定で良かったのでは?

なんて思いました。



狭いコミュニティの同調圧力とか

村人同士の距離感の近さとか

余所者に対する田舎者の意地の悪さとか


そういったものはしっかり描かれていて

まあ胸糞悪かったです。


お時間があればどうぞ。


ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-

2020年の日本映画です🇯🇵

中山七里先生の同名小説が原作です。

監督は深川栄洋




警視庁捜査一課の敏腕刑事である犬養隼人(綾野剛)は、バディである高千穂明日香(北川景子)と共に終末期患者が次々と不審死を遂げる事件を追う。

捜査を進める中、依頼を受けては終末期患者に安楽死をさせる『ドクター・デス』と呼ばれる謎の医師がいることが判明。

苦しませることなく被害者たちの命を奪っていくドクター・デスの目的と正体を探る犬養と高千穂だったが、腎臓病に苦しむ犬養の娘・沙耶香(田牧そら)が、ドクター・デスに自分の安楽死を依頼してしまう……。

 







連続不審死事件を追う刑事たちと犯人の攻防を描いたクライムサスペンス映画です。


安楽死』という重厚なテーマを扱った作品ということで期待して観ましたが


う〜ん

単なるサイコパス映画というか

2時間刑事ドラマで

はっきり言って期待外れでした。


原作は未読ですが

こんな軽い感じなのかな?


大好きな綾野剛さんが主演だったので

我慢して最後まで観ましたが

綾野剛さんってこういう野蛮な役柄よりも

寡黙な役柄の方が私は好きですね。



北川景子さんはめちゃくちゃお綺麗でしたが

あんな刑事…いませんよね💦


っていうか

『男になんか負けないわよ』的な感じを前面に出した、例えば天海祐希さんがよく演じるような感じの女性…

ステレオタイプすぎて痛々しかったです。



この作品…

ドクターデスとその助手を演じる俳優さんが事前に知らされていなくて


作品を観て初めてわかるという仕掛けが施されていたようですが


このお二人の演技が素晴らしすぎて

 

主演の綾野剛さん&北川景子さんだけではなく

その他の俳優さんが霞んで見えてしまいました。




木村佳乃さん…ちょっと苦手な女優さんですが

彼女の演技力に支えられた作品といっても過言じゃないと思いました。


お時間があればどうぞ。


ブレスレット 鏡の中の私

2019年のフランス=ベルギー合作映画です🎬

監督はステファヌ・ドゥムースティエ。




親友のフローラ殺害の嫌疑をかけられた、16歳のリーズ(メリッサ・ゲルス)の裁判が始まる。

リーズは無罪を主張し、父親(ロシュディ・ゼム)はもとより、両親は娘の身の潔白を信じて何度も法廷に立つ。

裁判が進行する中、友人の証言などからリーズの私生活や交友関係が明かされ、フローラとの間に何かしらの確執があったのではと疑惑が深まっていく……。










親友を殺害した罪に問われた女子高生の裁判に焦点を当てた法廷ドラマです。


ほぼ全編が裁判シーンで

最初はミステリー要素が満載でしたが

徐々に家族のお話に変わっていきます。


かなり見応えがあり面白かったです。


被告となったリーズが淡々としすぎて

サイコパスっぽかったです。

演じた女の子…すごーくお上手でした。



リーズが有罪なのか無罪なのか…

気になるところでしたが

裁判が結審されても

真相は結局わかりませんでした。


ネタバレになるので詳細は書けませんが

ラストのシーンは個人的にはゾッとしました。

いろいろな解釈があると思いますが

あとは観る人の判断に任せるね…というフランス映画でよく見られるエンディングでした。


お母さん役のキアラ・マストロヤンニ

あのマルチェロ・マストロヤンニカトリーヌ・ドヌーヴの娘です。

お母さん似ですね。



裁判官役の人…

俳優さんではなく

フランス俳優協会の顧問弁護士をしている実際の弁護士さんらしいです。



まずまずお薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。


マザーズ・クライム ねじれた愛情

2017年のアメリカ映画です🇺🇸

監督はファラド・マン。




シングルマザーのニッキー(エイプリル・ボールビー)の元に、ろくでなしの妹ダニエル(ジェニー・ガブリエル)が赤ん坊を連れて泊まりにやって来る。

だが翌日ダニエルは金を盗んで逃げたうえに夫を殺害し逃亡中の身だったことが発覚。

刑務所に入ったダニエルの代わりに、ニッキーが赤ん坊を養子として引き取る。

そして7年後、出所したダニエルが娘を奪い返そうと近づいてくるが……。










犯罪者の女性が服役中に実姉に育ててもらっていた娘を
出所後に取り返そうとして
さらに犯罪を重ねていくというクライムサスペンスです。

これに娘のおばあちゃん(ダニエルの姑)や探偵が参戦してきて

もう誰がいい人で誰が悪い人なのか

途中でわからなくなってしまう展開でした。


アメリカはこういう『親権もの』のお話が多いですね。

ダニエルがとんでもない女性だというのは最初から明らかでしたが

多分この人はいい人なのかもしれない(きっと助けてくれるかもしれない)…って思っていた人が悪い人だったりして

どんでん返しというほどではありませんでしたが
ガッカリしてしまいました。

内容的には火曜サスペンスドラマみたいな感じでした。

ダニエルの娘役の子役が可愛かったですね。


とてもいい子でした。

劇中に豪邸がたくさん出てきて
ニッキーのお家もかなりの大豪邸でしたが
すぐに不法侵入されてしまい
おばあちゃん家も同様で

犯罪大国アメリカでこれはないよね?
ってツッコミたくなりました。



まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。


ビューティフル・デイ

2017年のアメリカ=イギリス=フランス合作映画です🎬

第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞に輝いた作品です。

原作はジョナサン・エイムズが2013年に発表した同名の短編小説です。

監督はリン・ラムジー




元軍人のジョー(ホアキン・フェニックス)は、行方不明になった少女たちを捜した報酬で生計を立てる一方で、殺し屋の顔も持つ。

年老いた母(ジュディス・ロバーツ)と一緒に暮らしている彼に、政治家の娘ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を見つけてほしいという依頼が舞い込む。

やがて発見した彼女は感情が失われていて、連れ出そうとした矢先にさらわれてしまう……。









失踪した少女の捜索で生計を立てる男が

ある依頼によって思わぬ事態に直面するスリラー映画です。


台詞が少なく

しかも単調なストーリー展開で

特に前半は退屈してしまいました。


この殺し屋さん

幼少期に虐待されたり

戦争体験もあったりして

いわゆる『複雑性PTSD』に罹患しているという設定でしたが


今一つ心理状態が読めなくて

おそらく本作で一番描きたかった部分だったと思うのですが

終始もどかしかったです💦


ハンマーで相手を殺すという手法は

プロの殺し屋らしくなくて

老いた母親と会話している姿を見るにつけ

普通のおじさんにしか見えなかったです。


つまり


あまりカッコよくなかったです。

身体つきもブヨブヨだったし。




で、結局何が言いたかったの?

って感じでエンディングを迎えました。


多分邦題が悪かったのかもしれませんね。


ビューティフル・デイ』という邦題は

ニーナがダイナーで呟いた台詞から取られたもので


原題の『You Were Never Really Here』の方が想像力を掻き立てられたんじゃないかな?


なんて思いました。


ニーナ役の女の子…可愛かったですね。




本作には

21世紀の『タクシードライバー

というクレジットがついていましたが

全然違いました。


お時間があればどうぞ。