アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち
2011年のアメリカ映画です🇺🇸
脚本・監督はサム・レヴィンソン。
『レインマン』のバリー・レヴィンソンの息子です。
リン(エレン・バーキン)は、前夫との間にもうけた息子の結婚式に参列するため、新しい家族と共に実家に帰って来る。
彼女は、久しぶりに前夫ポール(トーマス・ヘイデン・チャーチ)や短気なその妻(デミ・ムーア)、いい加減な自分の母親(エレン・バースティン)らと再会。
久しぶりの再会にもかかわらず、自分勝手なことばかりを主張する彼らは、やがて結婚式当日を迎え……。
主人公のリンの家族…
長女(前夫との子)は自傷癖のある女子大生。
二男(現夫との子)はヤク中の高校生。トゥレット症候群と強迫性障害があります。
三男(現夫との子)はアスペルガー症。
この子が一番まともだったのと
姉弟仲が良かったのがせめてもの救い。
どこかで見たことあるなぁ
って思っていたら
『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラーでした。
お気楽な人すぎてイラッときました。
リンの前夫はDV男だし
再婚相手の女性(デミ・ムーア)はビッチで喧嘩っ早いし…
まあ不愉快な夫婦でした。
リンの母親もかなり酷い人でした。
リンの情緒不安定と被害妄想はこの母親の育て方に由来するものではないかと思いました。
最後は衝撃的でした。
二男の予言が当たったというか何というか…
ラストは台詞もなく
映像とニーナ・シモンの『Everything Must Change 』が流れるだけで
観ていて重苦しい気持ちになりました。
お時間があればどうぞ。
ハングリー・ハーツ
2014年のイタリア映画です🇮🇹
第71回ヴェネチア国際映画祭で主演の2人が男優賞と女優賞をダブル受賞した作品です。
監督はサヴェリオ・コスタンツォ。
運命に導かれてニューヨークで恋に落ちたジュード(アダム・ドライヴァー)とミナ(アルバ・ロルヴァケル)は結婚し男の子が産まれる。
だが、ミナは息子の育て方についての方針に異常なこだわりを見せ、次第に神経をすり減らしていく。
やがて彼女は、息子が食べるものや接するものに敵対心と怖れを抱くようになり……。
地獄
1960年の日本映画です🇯🇵
監督は中川信夫。
仏教系の大学に通う清水四郎(天知茂)は、恩師の矢島教授(中村虎彦)の下で彼の一人娘の幸子(三ツ矢歌子)と婚約していたが、謎めいた笑みを浮かべる同窓の田村(沼田曜一)がしつこくつきまとってくるため、彼の誘惑から逃れようとして逆に次々と罪を重ねていく。
まもなく、幸子を自動車事故で亡くしてしまった四郎は実家へ戻るが、そこに住む画家の谷口円斎(大友純)の娘で幸子にそっくりなサチ子(三ツ矢歌子・二役)と恋に落ちる。
しかし、田村に加えて四郎に轢き逃げされたヤクザの志賀恭一(泉田洋一)の情婦・洋子(小野彰子)が復讐しようと後を追ってきたため、四郎は吊り橋でもみ合っているうちに2人を殺害してしまう……。
前途洋々たる青年の周囲で次々と死亡事件が起こり
やがて自らも殺されて地獄に落ち
そこで集う人々を目の当たりにする様を描いたホラー映画です。
昔の作品ですが
なかなかクオリティ高かったです。
前半は連続殺人事件が普通に描かれたサスペンス映画でしたが
(全てが殺人という訳ではなく過失致死がほとんどで四郎は悪くないような気もしましたが)
後半はスプラッター映画の様相で
様々な地獄での責苦を描いたシーンはかなりグロかったです。
四郎の周りの人ほぼ全員が地獄に落とされていて
交通事故で亡くなった婚約者の幸子ですら
『親より先に死んだ』という罪で地獄行きでした。
さらに病死した四郎のお母さんも何故か地獄…
この秘密(オチ)は前半に何となく読めていました。
作中に『養老施設』というのが登場します。
これは今で言うところの『老健』?
しかし病気の人ばかりが畳部屋で寝かされていて
かと思うと四郎の両親(多分40代だと思われますが)が住んでいたり
娼婦もいたり
さらに画家が娘と住んでいたりして
謎の施設でした。
念のため『養老施設』を調べてみましたが
厚生労働省が社会的弱者をサポートする『生活保護法』を1950年に制定し、身寄りのない高齢者や収入を得にくい高齢者を保護するために作ったのが『養老施設』で、これが老人ホームの始まり
だそうです。
しかし主演の天知茂さん…
めちゃくちゃイケメンでした。
脇役の田村役の沼田曜一さん…
イイ味出していました。
まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。
あなたを見送る7日間/This Is Where I Leave You
2014年のアメリカ映画です🇺🇸
原作はジョナサン・トロッパーの同名小説です。
日本未公開作品です。
監督はショーン・レヴィ。
ラジオ局で働くジャド(ジェイソン・ベイトマン)はある日、自宅で妻クイン(アビゲイル・スペンサー)と上司ウェイド(ダックス・シェパード)の浮気現場を目撃し離婚。
仕事も辞めて失意のジャドに、妹ウェンディ(ティナ・フェイ)から父親の死の知らせが入り、葬儀のためジャドは地元へ戻る。
久しぶりに一家全員が集まったところで母ヒラリー(ジェーン・フォンダ)から、父が遺言でユダヤ教のシヴァを希望していたので、家族全員で7日間の喪に服す、と告げられる……。
父親の死で久しぶりに顔を合わせた兄弟姉妹…
それぞれに問題を抱えた面々が喪に服する7日間で自分と向き合い
家族の絆を取り戻していくドラマ映画です。
こういうワチャワチャしたアメリカ映画…好きです。
テンポが良くて
ブラックユーモアが効いていて
でもアメリカ映画なんで下ネタ満載です💦
家族のお話…
ハートフルコメディです。
良かったです。
4人の兄弟が典型的でしたね。
真面目だけどマヌケな長男
ごく普通の次男(←この人が主役)
やんちゃな三男
しっかりものの長女
お母さん役のジェーン・フォンダがめちゃくちゃ素敵でした。
現在84歳。
本作が公開された時は76歳くらい?
美魔女ですね。
ちなみに子供の頃、この方のこと『ジェーン本田』だと思っていました(笑)
オチはちょっとビックリしましたが
アメリカ映画らしい感じのオチ。
まずまずお薦めです。
ジャド(次男)の奥さんは胸糞悪かったですが。
お時間があればどうぞ。
新解釈・三國志
2020年の日本映画です🇯🇵
脚本・監督は福田雄一。
今からおよそ1800年前、後漢王朝滅亡後の中国では、魏・蜀・呉の三国が分立していた。
乱世の時代、蜀の武将である劉備(大泉洋)が多くの配下を従え人々の平和のために立ち上がる。
諸国の武将たちがしのぎを削る中、天下統一を成し遂げるべく南下してきた曹操(小栗旬)率いる魏軍80万を、劉備と孫権(岡田健史)率いる蜀・呉の連合軍3万が迎え撃つ『赤壁の戦い』が起きる……。
苦役列車
2012年の日本映画です🇯🇵
原作は先日急逝された西村賢太先生の同名小説です。
監督は山下敦弘。
1980年代後半。
19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。
他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二(高良健吾)と親しくなる。
そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。
1980年代後半を背景に
19歳の日雇い労働者で、酒におぼれる主人公を中心に
その友人、主人公が憧れる女性の青春模様を描いた作品です。
残念ながら原作は読んでいないのですが
西村賢太先生の訃報を聞き
今更ながら観賞させていただきました。
率直に言って
下手なコメディ映画より面白かったです。
特に貫多役の森山未來さん…
定評のある役者さんであることはすでに認知していましたが
観ている者を不快感でいっぱいにさせる名演技にはホント感服しました。
素晴らしい役者さんですね。
それを凌駕するマキタスポーツさんの演技…
これも素晴らしかったです。
最後はちょっとファンタジックな感じでしたがオチは特になく
そこら辺が本作の評価を下げた一因と分析されている方もいらっしゃいましたが
あれはあれで良かったのでは?
と個人的には思いました。
お薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。