つやのよる
2013年の日本映画です🇯🇵
原作は井上荒野先生の同名小説です。
監督は行定勲。
松生春二(阿部寛)は艶という女性と駆け落ちまでして大島へとたどり着くが、気ままな妻の不貞に翻弄されてきた。
そんなある日、艶の病気が発覚し、さらには昏睡状態に陥ってしまい、これまで無心に彼女を愛し続けてきた彼は激しく動揺する。
ついに春二は最愛の妻と深い仲だった男性たちに、艶が瀕死の状態にあることを知らせようと思い立つが……。
死の床にある艶という女性の恋愛遍歴を、関係を持った男の妻や元夫と関係を持つ女、ストーカーをしていた男の恋人などの間接的エピソードを描きながら明らかにするというお話です。
主人公である艶の顔は登場しません。
病床で酸素マスクをした横顔やぼやかした写真で登場するのみです。
オムニバス様形式でストーリーが進んでいきます。
そう…これはオムニバスなんですね。
一連のストーリーと考えるとお腹いっぱいになってしまいます💦
登場人物はみな強烈で
それを演じた役者さんも豪華な方々ばかりです。
でもそれほど泥沼っぽく感じなかったのは
舞台となった大島の素朴さのお陰だったかもしれませんね。
キョンキョンが目当てで本作を観ましたが
荻野目慶子さん扮する愛人との乱闘シーンはほとんどコントでした。
松生役の阿部寛さんは本作でも期待を裏切らない存在感でした。
瀕死の妻の過去に翻弄されて心身ともに疲弊している小汚い中年男を見事に演じていらっしゃいました。
ネタバレになりますが
艶のお通夜の時に松生春二が棺桶に向かって放つ言葉…
お前が思いをかけた男は誰も来なかった。
お前を愛しているのは俺だけだ、ざまあみろ
痛快でしたね!
『松生艶』→『まつおつや』→『待つお通夜』
のトリックに気づいた方はいらっしゃったでしょうか?
かつて愛した男たちを亡き艶はお通夜で待っていたのに誰も来なかった…
そんな中、松生春二が放った言葉はある意味勝利宣言のようにも聞こえました。
ここで映画が終われば良かったのですが
まさかの!
どんでん返しがあって終幕となります。
このどんでん返し…要らなかったと思ったのは私だけでしょうか?
まあまあ面白かったです。
140分弱の長めの作品ですが
お時間があればどうぞ。