92歳のパリジェンヌ

2015年のフランス映画です🇫🇷

リオネル・ジョスパン元フランス首相のお母様ミレイユの尊厳死について、娘で作家のノエル・シャトレが書いた小説『最期の教え』が原案となっています。
監督はパスカル・プザドゥー。



助産師として働き、子供や孫にも恵まれたマドレーヌ(マルト・ヴィラロンガ)。
まだ元気だが、最近は一人でできないことも増えてきた。
ある日、92歳の誕生日を祝うために集まった娘たち家族を前に、2か月後にこの世を去ることを宣言する。
最初は反対していた家族も心を動かされていき……。









尊厳死をテーマにした作品です。
内容はとても重いのですが
前半はコメディタッチなところもあって
観やすかったです。

日本でも近年尊厳死についての議論がなされるようになりました。
フランス人が考える尊厳死は、おそらく日本人が考えるそれとは違うんじゃないかなー
なんて思いながら観ました。

残念ながら全く感情移入は出来ませんでした。

1人で出来なくなることが増え、これ以上老醜を晒したくない(私は若いままでいたかったのに、こんなババアになってしまって悲しいよー)

という意固地さが尊厳死を掻き立てているようにしか見えませんでした。

マドレーヌは『家族を振り回すだけ振り回した単なるワガママばあさん』だと思ってしまった私は心がないんでしょうか?💦

希死念慮があるクランケに私は診察室でこんな風に言います。

死にたくていいんだよ。
生きるのが嫌になってもいいんだよ。
でも人は自分のためには生きない。
誰かのために生きるのです。
それは修業なんです。
死にたい死にたいって言いながら
誰かのために生きていかなきゃいけない。
そんな誰かはいないって言うかもしれないけれど
あなたがすれ違った人が誰かで
主治医である私もその誰かなんです。
最後は必ず死にます。
自分で死を決めるべきではないの。
私は無神論者なので矛盾しますが
神様とか何か目に見えない力が死ぬ時を決めるのです。

↑これが私の死生観です。

マドレーヌには伝わらないだろうけどなー💦

昨年10月に母を亡くしたばかりの私にはちょっとキツい映画でした。
まだ観るべき作品じゃなかったなー
ストーリーに対してではなく
亡き母のことを思い出して号泣してしまいました。

出演している俳優陣が皆さん素晴らしくて
作品としては良かったと思います。

孫のマックスくん(グレゴワール・モンタナ)が可愛かったです。
↓一番左の男の子。



お時間があればどうぞ。