お元気ですか?

2015年の日本映画です🇯🇵

監督は室賀厚。




小学校時代の恩師や学生時代の友人らかつて知り合いに、『お元気ですか?』と旅先から電話を掛ける藤木冴子(宮澤美保)。 

旅の途中、若いカップルの仲むつまじい姿を見て表情が曇るものの、その後も電話を掛け続ける。

彼女は義姉やママ友、元恋人、夫の両親ら、電話の向こうの相手に謝罪と感謝を伝え……。










夫と娘を亡くした女性が

これまでの人生でお世話になったり

謝罪しなければいけない人に電話をかけまくる姿を描いたヒューマンドラマです。


冒頭から、この女性は自殺するんだろうな…っていうのがわかりましたが


オチは何となく読めてしまいました。


派手さはないお話で中盤ちょっと退屈してしまいましたが


まあまあ面白かったです。


心の琴線に触れるほどではありませんでしたが。




この女性が電話した10人というのが

①以前勤務していた美容院の店長

②高校時代の親友

③訴訟の時に相談に乗ってくれた義理姉

④小学校の時の担任

⑤ママ友

⑥娘を看取ってくれた病院の看護師

⑦弁護士

⑧元彼

⑨夫の両親

⑩ テキトーに番号を押して出た見ず知らずの男性


彼らとの会話劇の形を取りながら

旅先で出会った医大生のカップルとの交流を絡めてストーリーが進んでいきます。


みなさん十人十色でしたが

会話にもうちょっと捻りというか深みがあっても良かったかも。


人生最後の日に10人に電話をかける…というのは亡き夫が生前に語っていたことのようですが


私だったら・・・


10人も思いつかないなぁ💦


お時間があれば観てください。



愛という名の執着

2019年のアメリカ映画です🇺🇸

監督はロブ・マレンファント。





グレン(トッド・カフーン)の妻ブルック(ビクトリア・バラバス)は無事に出産を終えて退院していった。

一方、ハリー(ジェフ・シーン)の妻オリビア(ケイティ・ルクレール)は死産。
泣きながら退院していった。
半年後、ハリーはグレンの会社に就職して妻オリビアとともに出産記念パーティーに出席した。
リビアは、グレンとブルックの娘シエナの顔を見て動揺し……。








同じ病院で同じ日に出産した女性…
死産した方が出産した方の女性とその赤ちゃんに執着し

やがて彼らの周りで次々と不可解な事件が発生するというサスペンス映画です。

児を失ったオリビアの、いわゆる『歪んだ母性』が暴走して起こした事件・・・かと思いきや

どんでん返しに次ぐどんでん返しで
とても面白かったです。


終盤に何となく真相は読めてきましたが
それでもハラハラドキドキしました。

B級テレビ映画ですが
脚本がしっかりしていて
かなりお薦めの作品だと思います。

ラストに2年後を描いていますが
え?
なんかちゃっかりしてるなー
なんて思い
ハッピーエンドではありますが
この結末は要らなかったかも。

お時間があれば観てください。


バケツと僕!

2018年の日本映画です🇯🇵

原作は北島行徳先生の『バケツ』です。

監督は石田和彦。





神島(紘毅)は養護施設で働き始め、バケツというニックネームを持つ15歳の少年(徳永ゆうき)と知り合う。
軽い知的障害と盗み癖のあるバケツは、母親から虐待を受けた末に捨てられ、兄弟にも突き放された揚げ句、施設を追われる。
神島は先輩の黒田(岡本玲)の助けを借りて、バケツを引き取ろうとするが……。









養護施設に就職した主人公と
軽度の知的障害を抱えた少年の友情を描いたヒューマンドラマです。

実話が元になっているそうです。

2018年の作品ですが
時代設定は昭和でしょうか?

障害者と被虐待児を描いていますが
そんなに重くなくて

かと言ってコメディタッチでもなく

良い意味で中途半端な作品だったと思います。

神島先生役の俳優さん…
あの前川清さんの御子息だそうです。
ふとした表情がお父様にソックリでした。



バケツくん役の俳優さんは演歌歌手とのこと。
どこかで見たことあるなぁ…って思っていたら
以前このブログでも紹介した『家族はつらいよ』で鰻屋さん役で出ていた方ですね。



杉田かおるさんも出演されていました。
養護施設のベテラン先生…
入所している子供たちを虐待していましたが
良い人なのか悪い人なのかよくわかりませんでした💦


演技力はピカイチでした。


ラストはモヤっとする終わり方でした。
神島先生…多分そういうことだと思います。
(本編をご覧ください)
なんかお気の毒に思いました。

お時間があれば観てください。


MR 医薬情報担当者 処方ミス

2012年の日本映画です🇯🇵

監督は小沢維士。




間違った処方箋を出したが自分のミスを認めず、すべて薬局のせいにしてしまう院長(武蔵拳)。
患者たちのクレームが薬局に集中し、思い悩んだ薬局長(みつまJAPAN)は自殺を図る。
院長の理不尽なやり方と、未亡人となった薬局長夫人(西本はるか)の無念を知った医薬情報担当者、通称“MR”たちは大口取引先の院長に対し真実を追及するための戦いを挑む……。





 



病院や薬局等の医療機関と製薬会社を繋ぐ医薬情報担当者たちの活躍を描いた勧善懲悪ドラマです。

80分弱の短い作品です。

何じゃこれは!!!

というのがまずは率直な感想です💦

結構リアルなお話と
かなり誇張したお話が入り乱れていて
でも結構面白かったです。

ただ、出演者がほぼ全員台詞を棒読みしているだけで
演技がかなり下手くそでした。

武蔵拳さん演じる院長…
同業者にあんな感じの人いますが
それでも処方ミスしたらちゃんと訂正しますよ、医師は。
医療訴訟になったら私たち医師は一発でアウトになりますから。



薬剤師さん。
こんな髪型の人いませんよー


髪の毛はきちんと束ねて欲しいですね。

MRさん…
まるでキャバ嬢みたいですが
実はこういう人います。


色仕掛けで営業する女性MRは結構います。

私が以前勤務していた病院で診療部長だった時はホストみたいなMRがよく営業に来ていました。
私、ホスト系苦手なんで逆効果だったのですが。

私の前の診療部長は男性だったのですが
↑の写真みたいなMRが来ていましたね。
女性MRは何故か基本ミニスカが多かったです。

ドクターHIROさん演じる『伝説のMR』に新人MRが教えを乞うシーンがありました。

『先生が難しい質問ばかりして全然答えられなくて』

『だったら、「先生、教えてください」って言えばいいんだよ』

これ、私の一番嫌いなMRのパターンです。

私たち医師はMRの教育係じゃないのよ。
こっちが教えて欲しいのよ、薬剤についての有益な情報を。
もっと勉強してから出直せ!

こういうMRが来るといつも心の中で思っています。
(小心者なので言いませんが💦)



2012年の作品ですが
その当時すでにMRからの接待は禁止されていました。
キャバクラやゴルフに行くとか手土産もらうとか車で送迎してもらうとか
そういうのが本作で言及されていましたが
それはあり得ないお話です。

以前勤務していた病院に
おやつを持ってくるMRがいましたね。
まだ私たち医師が勤務中で病棟にいるのに勝手に医局に入り込んで
持ってきたおやつを食べながら
医局のテレビで高校野球をずーっと観ていたMR…
ある時から姿を見せなくなりましたが💦



お時間があれば観てください。

※予告編見つかりませんでした🙇‍♀️

沈黙の死

2010年のフランス映画です🇫🇷

監督はオリヴィエ・ペレイ。




フランスの片田舎で海辺の物件を紹介する不動産業を営むマリー(パスカル・アルビロ)は幼い娘のジュリー(メリュジーヌ・マヤンス)と暮らしていた。
ジュリーは独りぼっちの気持ちを埋めるために恐ろしい漫画を描き、想像の友達を作って描いていた。
ある日家で叔母のフローレンス(カロル・フランク)が殺される。
ジュリーは自分の犯行だと言いその後沈黙する。
それを聞いて驚愕するマリー。
彼女は娘の罪を晴らすため事件の真相を探ろうとするのだが……。








11歳の少女を巡るフランスのB級ミステリー映画です。

妄想癖がある素行障害の女の子のお話なのかな?って途中まで思っていましたが

結論から言えば
この女の子は精神疾患でもサイコパスでもなくて
『単に病んでる女の子』
でした。

『叔母を殺したのは私』と少女が母に告げるシーンから本作は始まりますが

おそらく女の子を持つお母さんが観たら居た堪れなくなくなるようなお話でした。

ただこの小娘…
なかなか強かな子でしたね。

11歳だけど明らかに『女』でした。



自分の殻に閉じこもって
ひたすら漫画を描いていましたが
お上手でしたね。



日本の漫画を読んだり
作中に急須と湯呑が出てきたり

さらには母娘で富士山に向かって旅立つシーンもあり

ある意味親日的な作品でした。


ママはなかなかの美人で
ママも明らかに『女』でしたね。
顧客とすぐに寝るし💦

ちなみに顧客役の俳優さん…素敵でした。


いかにも『フランスのお金持ち』といった感じで
個人的には私のタイプな男性です(笑)



謎解きのスリルもあり
なかなか面白い映画だと個人的には思いました。
お時間があればどうぞ。

※予告編が見つからなかったので本編を貼っておきます。

屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ

2019年のドイツ=フランス合作映画です🎬 

監督はファティ・アキン




1970年代のドイツ、ハンブルク

寂しさを紛らわせようとする男女が集うバー『ゴールデン・グローブ』に通って女性に声を掛けるが、ボロボロで曲がった歯に斜視という外見で見向きもされないフリッツ・ホンカ(ヨナス・ダスラー)。

心を開いてくれた女性が現れても、空回りした言動をとってしまう。

やがて暮らしている安アパートの屋根裏部屋に年増の娼婦を招いてはある行為をするようになる……。










実在した殺人鬼フリッツ・ホンカの凶行を描いた実録サスペンス映画です。


女性から相手にされないフリッツが殺人に手を染めていく様が映し出されています。


こちらが実際のフリッツ・ホンカです。




作中に出てくるバー『ゴールデン・グローブ』は実在するお店で

現在も営業しているそうです。


このバーがあるのはハンブルクのザンクト・パウリ地区にあるレーパーバーンという欧州屈指の歓楽街で

日本では言うところの歌舞伎町みたいな所です。



実際の『ゴールデン・グローブ』です。

お店の入口には

『ホンカの部屋』

という看板が掲げられています💦


作品としてはよくある伝記犯罪映画です。


太った小汚いおばさんがたくさん出てきます。


死体の解体シーンも出てきますが

個人的にはおばさんの方が気持ち悪かったです。

(すみません)





フリッツ・ホンカを演じた俳優さんの演技が良かったですね。


特殊メイクでブサイクにしていますが

実際はすごーくイケメンさんです。


(↑同一人物です)



フリッツ・ホンカはおそらくサイコパスなのかもしれませんが

サイコパス感が本作では今ひとつでした。

単なるアルコール依存症シリアルキラーって感じでしたね。


醜悪で不快感漂う作品でしたが

面白かったです。

お時間があればどうぞ。



ハウス・ジャック・ビルト

2018年のデンマーク=フランス=ドイツ=スウェーデン合作映画です🎬

脚本・監督はラース・フォン・トリアー




1970年代のワシントン州

建築家志望の独身技師ジャック(マット・ディロン)が車で人けのない雪道を通り掛かると、女性(ユマ・サーマン)が車が故障したと助けを求めてくる。

ジャックは彼女を車に乗せ修理工場まで送るが、彼女は急に態度を変えて無神経で挑発的な発言を繰り返し、ジャックは彼女に怒りを募らせる……。










1970年代から80年代にかけての12年間にわたって

米国ワシントン州で暗躍したシリアルキラーのジャックを描いたホラー映画です。


第71回カンヌ国際映画祭でプレミア上映されましたが

途中退出者が続出したそうです。


『ヴァージ』という謎の老人との対話形式で

5つの猟奇殺人のエピソードが回想されていきます。


この老人…ブルーノ・ガンツが演じているのですが


最初は逮捕された後に精神鑑定を行なう精神科医かと思っていました。


しかしストーリーが進むにつれ

ジャックに内在するパーソナリティな一部であることが判明しました(多分)。





芸術や哲学と殺人を同列が語っており

そういう意味では何とも不愉快な作品でした。


殺人のシーンやジャックの強迫行為が妙にリアルで

思わず引き込まれそうになりましたが

私の中の倫理がそれを引き止めてくれました💦


おそらくすごい作品なんでしょうね。

共感は全くできませんでしたが。


テーマは何だろう?


人生観とか芸術論といった高尚な感じはしなかったし


快楽や楽観主義的な要素とも違っていて


私には今ひとつわかりませんでした。


ただ…

主演が大好きなマット・ディロンということで

まあ合格としましょう。




老けましたね。

80年代にイケイケだったマットの面影…

ちょっとあるかな?




本編が長かったですね。

途中で寝そうになりました。


お時間があればどうぞ。