遠い一本の道

1977年の日本映画です🇯🇵

監督は名女優でもあった左幸子




昭和50年10月14日の鉄道記念日

滝ノ上市蔵(井川比佐志)の国鉄勤務30年の効績章受章を祝う宴が開かれているところひ娘・由紀(市毛良枝)が恋人(長塚京三)を連れてくる。

市蔵の鬱憤が突然爆発、二人の結婚に大反対し、祝いの席は荒れに荒れた。

里子(左幸子)は23年前を思い出す。

それは結婚相手の顔も知らぬまま嫁いだ日のことだった……。











1977年に当時の国鉄労働組合が資金を提供し
左幸子さんが監督と主演を務めた映画です。

高度成長を遂げた日本で
合理化の波に翻弄される労働者の憤りと誇りを
勤続30年の国鉄保線員とその家族を通して描いたヒューマンドラマです。

ドキュメンタリータッチな作品で
おそらくは素人(実際の国鉄組合員)も出演しており

ヒューマンドラマというより教育映画のようでした。

左幸子さんと言えば
あまりよく存じ上げないのですが
幼少期に見た印象だと
『色っぽいおばあさん』のイメージでした。

なので、映画監督とか鉄道というのが左さんと結びつかなくて

何故このような作品を制作されたのかよくわかりませんでした。


本作が公開された時、左幸子さんは47歳だったのかな?
普通のおばちゃん役でしたが
とても色気があって美しかったです。


かたせ梨乃さんになんか似てたなー

市毛良枝さんと長塚京三さんも出演されていましたが
お2人とも若い‼️


市毛良枝さんはあまり変わらない。
長塚京三さんはめちゃくちゃイケメンでした。

ストリート自体はさほど面白くはないのですが
戦後の高度成長を知る上でお勉強にはなりました。

かなり硬派な作品です。

ストリートの最後の方に
長塚京三さん演じる男性の故郷である長崎・軍艦島が登場します。





これは歴史映画ですね。

お時間があればどうぞ。


命みじかし、恋せよ乙女

2018年のドイツ映画です🇩🇪

樹木希林さんの遺作となった作品です。

監督はドーリス・デリエ




酒に溺れて仕事も妻子も失ったカール(ゴロ・オイラー)は、ドイツのミュンヘンで一人暮らしをしていた。

孤独に苛まれ“モノノケ”を目にするようになった彼を、日本人のユウ(入月絢)が訪ねてくる。

彼女は10年前に東京に来ていたカールの父ルディ(エルマー・ウェッパー)と親しくしており、他界したルディの墓とかつてルディが住んでいた家を見に来たと話す。

最初は渋々ユウに付き合っていたカールだったが、次第に彼女に惹かれていき、今度はユウの祖母(樹木希林)に会うために日本へ向かうが……。










孤独なドイツ人男性と、男の父親と親交のあった日本人女性が
人生を取り戻すためにともに旅する姿を描いたヒューマンドラマです。

最期の樹木希林さんを観たくて鑑賞しましたが
なかなか登場しない💦

ドイツ人青年のエピソードが長くて
今ひとつ意味不明でした。
単なるアルコール依存症のお兄さんのお話でした。

本作を一言で言えば『妖怪映画』です。

タイトルのような可憐なお話ではなかったです。

カール役の俳優さんがイケメンでしたね。



ユウちゃん役の女優さんは初見でしたが
演技力も見た目も××でした。
この方、ダンサーなんですね。
ドイツ人から見た日本女性って不思議ちゃん系なのかなー
なんて思いました。
ちょっとガッカリしました。
ゴメンなさい。

樹木希林さんはすごく雰囲気があって
居るだけで説得力がありました。
風貌は役作りではなくて末期癌のそれで
痛々しかったです😭



作中で樹木希林さんが

『あなた、生きてるんだから、幸せになんなきゃダメね』

と語るシーン…

希林さんの最期のリアルメッセージだと思いました。


お時間があればどうぞ。



愛して飲んで歌って

2014年のフランス映画です🇫🇷

フランスの名匠アラン・レネ監督の遺作です。





イギリス、ヨークシャー郊外。

ジョルジュ・ライリーはカリスマ的な魅力を持つ高校教師。
開業医をしているコリン(イポリット・ジラルド)とその妻カトリーヌ(サビーヌ・アゼマ)。
コリンは生真面目な男で、カトリーヌが若いころにジョルジュの恋人だったことを知る由もない。リッチなビジネスマンであるジャック(ミシェル・ビュイエルモーズ)はジョルジュの10代のころからの大親友。
妻のタマラ(カロリーヌ・シオール)は良妻賢母で、夫の浮気も知らないふりをしている。
ジョルジュの元妻であるモニカ(サンドリーヌ・キベルラン)は、彼の八方美人ぶりに耐え切れず夫を捨て、農夫シメオン(アンドレ・デュソリエ)と新しい生活を始めていた。
始まりは、コリンがジョルジュの余命がいくばくもない事実を妻に明かしてしまったことだった。このニュースはおしゃべりなカトリーヌによって瞬く間にみんなの秘密となる。余命いくばくもないジョルジュに思い出を、と昔の仲間は一致団結するのだが……。









余命わずかな友人のために3組のカップルが一致団結するかと思いきや
その男と友達以上の関係にあった女たちや
それに振り回される男たちが
絶妙な駆け引きを繰り広げるコメディ映画です。

書き割りのようなセットの中で展開され
面白味溢れる台詞の掛け合いが楽しい作品でした。
舞台劇のような感じでした。

ジョルジュは存在だけで実際には登場しません。
とんでもない奴でしたね。

死を前に3人の女性を手玉に取ろうとするのですが
途中からオチというか
誰がジョルジュに落とされるかわかってしまいました💦


ストーリーの中核は『不倫』なのですが
妙にサバサバしていて良かったです。
さすが!フランス映画です。

内容はとてもわかりやすくて
アラン・レネの遺作としては穏やかな最期の作品だったと思います。

まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。


エヴォリューション

2015年のフランス映画です🇫🇷

第63回サンセバスチャン映画祭で審査員特別賞、最優秀撮影賞を受賞した作品です。

監督はルシール・アザリロヴィック。




住民は少年と女性だけの島で、10歳のニコラ(マックス・ブレバン)は、母親(ジュリー=マリー・パルマンティエ)と2人で生活している。

全ての少年が不可思議な医療を施されていることなど、島での日常に違和感を覚えるようになった彼は夜中に家を出て行く母親の後をつける。

海辺に向かった母親が、ほかの女性たちと始めたある行為を目にするニコラ。

それを機に、彼は思いも寄らなかったおぞましい事態にのみ込まれ……。









少年と女性しか住んでいない島を舞台に

そこに隠されている秘密を知る10歳の少年の姿を描いたお話です。


前半は海のシーンがとにかく美しくて

台詞は必要最低限で

視覚に訴える系の作品だと思いましたが


少年たちが幽閉されている病室のシーンが暗くて

後半は『自分でストーリーを解釈してね』的な展開になりました。



多分ホラー映画なのかな?


お母さんたちは人間ではなかったですよね。

ある意味児童虐待のような

悪趣味な内容だったと思います。


ぼーっとしていると筋がわからなくなります。

いや

ぼーっとしていなくても想像力がないと分かりづらいお話でしたね。


主演の少年…可愛かったです。

頭も良さそうでした。




ニコラのお母さん…

不気味な風貌でした。

やっぱり人間じゃないですよね?💦




レビューを見ると皆さんいろいろな解釈をされています。

お時間があればどうぞ。


バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート

2015年のアメリカ映画です🇺🇸

監督はパコ・カベサス。




なぜか付き合うのはダメ男ばかりのマーサ(アナ・ケンドリック)。

ある日、彼女は自分の理想を全て備えているフランシス(サム・ロックウェル)と運命の出会いを果たす。

たちまち激しく惹かれ合う二人だったが、フランシスの正体は殺人こそ許せない犯罪という強い信念を持つがゆえに依頼人を殺してしまう暗殺者だった。

次々と襲い掛かってくる同業者を迎え撃つ彼と過ごすうちに、次第に暗殺者としての才能に目覚めるマーサだったが……。











凄腕のヒットマンと恋に落ちたことから

殺しの才能に目覚める女性を描いたアクション映画です。


ブコメ要素たっぷり!

後半は特にテンポも良くて

面白かったです✌️


ヒットマン役のサム・ロックウェル

カッコ良かったですですね。

ADD(注意欠陥症)の設定でしたが。




マーサ役の女優さん…

どこかで観たことあると思ったら

このブログでも紹介した『シンプル・フェイバー』で〝あざとサイコパス女〟役で登場した人でした。




大して美人じゃないのですが

頭の弱いエキセントリックな役を演じたら

ピカイチですね。




脇役でティム・ロスが出ていましたが

この人…結局良い人なのか悪い人なのかわかりませんでした。

殺し屋なんで悪い人なんだとは思いますが💦




まずまずお薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。



地下鉄に乗って

2006年の日本映画です🇯🇵

浅田次郎先生の同名小説が原作です。

監督は篠原哲雄




衣料品の営業マンの長谷部(堤真一)は地下鉄の駅で父(大沢たかお)が倒れたという伝言を聞く。

彼は地下道を歩きながら、暴君の父と口論して家を飛び出し、帰らぬ人となった兄のことを思い出していた。

そのとき、彼の前を亡き兄に似た人影がよぎる。

必死で追いかけて行くとそこはオリンピック景気に沸く昭和39年の東京だった……。










『地下鉄』で過去へとタイムスリップした男性が、過去のトラウマに立ち向かう姿を描いた作品です。

タイムスリップして若き日の父に出会うことで
これまで分かり合えなかった父のことを理解できた…というのが本筋で

長谷部の愛人みちこ(岡本綾)にも隠された家族の物語があり

時空を超えた壮大な家族の物語…

といえば聞こえはいいのですが

親子二代で不倫して家庭を蔑ろにしている自己チュー男たちのお話でした。
(不倫を否定する気はありませんが)

主演の堤真一さんが好きなので観ましたが
堤さんのお父さん役を演じた(青年期から老年期まで)大沢たかおさんに全部持っていかれた感じでしたね。
いやー素晴らしかったです、大沢さん。



ストーリー自体は面白かったです。

ラストは切なかったですね。
ああいう結末にしなくても良かったのではないか…って感じましたが

生きても地獄
死んでも地獄

だったと思うので

ま、これで良かったのかな?

(詳細は本編をご覧ください)


お時間があればどうぞ。


暗黒への転落

1949年のアメリカ映画です🇺🇸

アフリカ系アメリカ人作家ウィラード・モトリーが発表した同名小説が原作です。

主演のハンフリー・ボガートが自らのプロダクションで製作した作品です。

監督はニコラス・レイ





スラム街出身のニック(ジョン・デレク)が警官殺害の容疑で逮捕された。
モートン弁護士(ハンフリー・ボガート)は彼の無実を信じ、証言を集め裁判に臨む。
ニックに更生して欲しい一心から、社会の悪とその罠について熱弁を振るモートンだったが、ニックには前科があることがわかり、裁判は最終弁論へ……。










シカゴのスラム出身の不良少年が警官殺しの嫌疑をかけられ
彼の無罪を信じた弁護士が奮闘する様を描いた法廷劇です。

ニューシネマ期の社会派映画を先取りするような陰鬱な作品でした。

ニックの過去の回想シーンと現在の裁判シーンが交互に映し出されるという手法でストーリーが進行します。

観ている者を陪審員の気持ちにさせ
撹乱させる方法ですが
結末は簡単に読めてしまいました。

いわゆる『少年犯罪』を扱ったお話ですが

犯罪者を作るのは環境なのか?それとも生来の気質なのか?

というテーマが含有されていて

令和の現代においてもとても興味深い作品でした。

ニックを演じたジョン・デレク
かなりのイケメンでしたね。
作中では『プリティ・ボーイ』と呼ばれていましたが。



ハンフリー・ボガートはやっぱりカッコいい!
弁護士役が板に付いていました。



かなりお薦めの作品です。
是非‼️