快楽の漸進的横滑り

1974年のフランス映画です🇫🇷

監督はアラン・ロブ=グリエ





女子感化院に若くて美しいアリス(アニセー・アルビナ)が殺人容疑で収監された。
殺害されたのはアリスのルームメイトであるノラ(オルガ・ジョルジュ=ピコ)。
彼女は半裸の姿でアパルトマンのベッドの桟に右手首を縛りつけられ、長いハサミを左胸に突き立てられている状態で発見された。
刑事(ジャン=ルイ・トランティニアン)はアリスを尋問するが、譫言のような言葉を口にするだけで心ここにあらずといった様子であった……。








過激なサドマゾヒズム等のエロティックな描写ゆえ、各国で上映禁止となった作品です。


ユニークな邦題に惹かれて鑑賞しましたが

ストーリー自体は殺人事件の捜査を核としたミステリー仕立てになっています。


70年代のフランス映画ってアーティスティックで好きです。

出演している女性が全員美人でミステリアスです。




事件の真相は観ていてもはっきりはしません。


写真のように切り取られたシーンと曖昧な時系列が映画というより前衛的なアートといった感じで


本作に関しては謎解きをしよう…などといったスタンスで観ない方が良いでしょう。


映画館じゃなくて美術館にいるようなスタンスで良いと思います。



要は


さっぱり意味不明な作品


なのですが


エロティシズムは真実に勝る


というお話でした。


お時間があればどうぞ。


かしこい狗は、吠えずに笑う

2013年の日本映画です🇯🇵

第34回ぴあフィルムフェスティバルでエンタテインメント賞と映画ファン賞を受賞した作品です。

監督は渡部亮平




ブルドッグのような顔であることから、周囲からさげすまれながら学校生活を送っている女子高生の熊田美沙(mimpi*β)。

ひょんなことから彼女は、チワワのような愛くるしい顔立ちをねたまれている清瀬イズミ(岡村いずみ)と交流するようになる。お互いにルックスが原因となって寂しい思いをしてきたことを理解し合い、固い絆と友情を育んでいく美沙とイズミ。

そんな二人に、思いも寄らない出来事が起きてしまう……。










ルックスが原因となって孤独な毎日を強いられてきた2人の女子高生が育む絆とその行方を描いた青春ドラマです。


予算150万円の自主制作映画とのことで

低予算だけあって出演している役者さんの演技力が今ひとつではありましたが


ストーリーはなかなか面白かったです。


青春ドラマっぽいのは前半だけで

後半は身の毛もよだつ怖い展開…サイコスリラーでした。


ラストはある意味大どんでん返しでしたね。


オープニングから観ていた設定が最後に変わります。


ネタバレになるので詳細は書けませんが

ああ、そういうことだったのね。

やられたー

といったオチでした。


この作品…あまり素直に観ない方がいいと思います。

普通にストーリーを追って観ていたら最後騙されますので。


(詳細は本編をご覧ください)


美沙は『ブルドックのような顔』という設定でしたが

なかなか可愛らしい女の子でしたね。

全然ブスじゃなかったです。



まずまずお薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。


電気工事士

2020年のイギリス映画です🇬🇧

監督はスティーブ・コンウェイ




孤独な電気工事士マーク(ロリー・ファレリー)は同僚たちとの付き合いを拒み、職場と自宅を往復する日々を過ごしていた。

持病である咳嗽が悪化し病院で検査をしたところ、肺に陰影が見つかった。
それを契機に、2年前に離婚した妻が引き取った息子との絆を取り戻そうと決めて動き出す。
しかしそのためには逃げようとしていた過去と向き合う必要があった……。








低予算、プロではない俳優を使って5年かけて制作されたインディペンデント映画です。


前半はマークの日常…

朝起きて仕事に行ってご飯を食べて帰宅して寝る姿が淡々と描かれています。


特に大きな事件も起こらず

マークの台詞は少なめ


何だ、このお話は!?


と思いながら観ていましたが


自身の病気をきっかけに

別れた息子に会いたいというヒューマンドラマ風に様相が変わり


ただ、過去にかなりヤバいことがあったようで

そこら辺は何となくぼやかされた感じでストーリーが進んでいきます。


ラストは衝撃的でしたね。


私が想像していたラストとは違っていました。

お涙頂戴のラストを想像していました。


え?

って思った瞬間

エンドクレジット。


何でこんなラストになったのか???でしたが


この衝撃だけで一見の価値がある作品だと思いました。


ところでこの同僚たち…

とんでもないクズ揃いでした。



10年間無銭飲食していることを自慢したり

隣人女性の車を盗んで売り飛ばす相談をしたり

ずっと喋ってばかりで仕事しないし


とんでもなかったです。


いかにも低予算でマニアックな作品です。

お時間があればどうぞ。



よい子の殺人犯

2018年の台湾映画です🇹🇼

監督はジャン・ジンシェン。



日本のアニメ『ボビッター』に夢中のアーナン(ホアン・ハー)は、母親(ワン・リン)と認知症の祖父(ルー・フールー)と暮らしている。
彼は社会から『負け組』『ガチヲタ』というレッテルを貼られているが、実は人と争うことが嫌いで善良な心の持ち主だ。
ある日彼の平穏な生活に、突然博打で失敗した叔父(ワン・エニョン)が乗り込んで来て、一家は緊張感に見舞われる。
そんな中、アナンは『ボビッター』マニアの女の子イチゴ(ワン・チェンリン)に恋をする。
彼女との甘い夢が実現しようとした矢先、思いも寄らないことが起こりアナンは失意のどん底に。
そして、家庭ではとんでもないことが……。









心優しいが孤独なアニメオタクの青年が起こした事件を通して

現代の台湾社会の格差や貧困、介護やひきこもりといった問題を浮き彫りにした

社会派ミステリードラマです。


後味が悪いというか

とても悲しいお話でした。


ヤバい人ばかり登場します。

実家に乗り込んできた叔父さんとその恋人が一見すると悪者っぽいのですが


一番ヤバいのはこの女の子。

完全にサイコパスだと思ったのは私だけでしょうか?



この子はあかんよー!

とお母さん目線で思わず叫んでしまいました💦


で、オタクのアーナン君ですが

よくよく見るとイケメンで

途中から感情移入してしまいました。

彼もダメな子ではありましたが。



作中に日本のアニメが登場しますが

これは実際には架空のもので

どうやらポケモンピカチュウをモチーフに制作されたとの噂もあるようです。



作中のオタク仲間に絶賛されていましたが

あまり可愛いとは思わなかったなぁ。


お時間があればどうぞ。


地獄の警備員

1992年の日本映画です🇯🇵

監督は黒沢清



警備員として雇われた元力士の富士丸(松重豊)。

彼は過去に殺人を犯しながらも精神鑑定により無罪となっていた。

一方で、絵画取引のために雇われた元学芸員の秋子(久野真紀子)は忙しい毎日だった。

そんな中、富士丸は同僚を殺害、徐々に狂気をあらわにして行く……。








閉ざされたビルという空間の中で

殺人鬼である警備員に襲われる女性社員の恐怖を描いたスリラー映画です。


30年前の作品で

おそらくバブル後期でしょうか?

時代は平成でしたが

昭和のノスタルジー溢れる映像で


なのにアメリカの80年代映画っぽい雰囲気もあって


なかなか楽しめました。




ストーリー自体は大したものではなく

サイコパスが次々と殺人を繰り返すだけのお話です。


バイプレーヤーでお馴染みの松重豊さんのデビュー作だそうです。

台詞は少なかったのですが

存在感がハンパなかったです。



今は亡き大杉漣さんも出演されています。

若い頃の大杉さんってヤバい役が多かったなぁ。



作品としてはかなり荒削りな感じも否めませんが

この時代はこれで良かったのではないでしょうか?

タイトルがダサダサで時代を感じます💦


お時間があればどうぞ。


オーディション

1999年の日本映画です🇯🇵

原作は村上龍先生が月刊誌『ペントハウス・ジャパン』に上梓された作品です。

監督は三池崇史



ビデオ制作会社を経営している青山(石橋凌)は7年前に妻を亡くし、一人息子の重彦(沢木哲)と寂しい日々を過ごしていた。

そんなある日、青山の身の上を案じた友人の吉川(國村隼)は青山にとんでもない提案をする。

それは映画制作と称したオーディションを開催し、その中から再婚相手を探せというものだった。

そして4000通もの応募の中から選んだ女性、麻美(椎名英姫)に加速度的に魅了されていく青山。

しかし彼女の愛は余りにも真っ直ぐで完全なものだった……。








妻を亡くしたシングルファザーの男性が

映画のオーディションに託けて

再婚相手を探そうとしたところ

とんでもない事態に巻き込まれてしまうというサイコホラー映画です。


『閲覧禁止』とか『途中退席続出』などと

公開当時話題になった作品です。


残虐シーンが多く

『トラウマ必至』と酷評されていたそうですが

海外では評価が高く

あのクエンティン・タランティーノも絶賛したそうです。


う〜ん

そんなに衝撃的な感じはなかったなぁ。

古い作品だからでしょうか?

当時観たらきっとトラウマになったかもしれませんが。


拷問シーンを観てもそんなに怖くなくて


『青山さん、PTSDになるだろうな。今後どんな風にケアしてあげたらいいんだろう?』


薬物療法も必要だろうな。SSRIは反応しないかも』


などと考えながら観てしまいました。


もうこれは職業病ですね💦



現在では超ベテランと言われている俳優さんがたくさん出演されています。

(皆さん、お若い!)


ネタバレになるので詳細はお話できませんが

麻美が監禁していた頭陀袋の中の男性…

今は亡き大杉漣さんが演じています。

(全然わからなかったです💦)



お薦めはしません。

お一人では観ない方がいいかも。




一度死んでみた

2020年の日本映画です🇯🇵

監督は浜崎慎治。




製薬会社の社長を務める父の計(堤真一)と一緒に暮らす大学生の七瀬(広瀬すず)は、研究に打ち込むあまり母の死に際にも現れなかった仕事人間で口うるさい父が嫌でたまらず、顔を見るたびに死んでくれと毒づいていた。

ある日計は、一度死んで2日後に生き返る薬を飲んだためにお化けになってしまう。

何も知らずに動揺する七瀬は、遺言により社長を継ぐことになり、計の会社に勤める松岡(吉沢亮)から真相と聞かされる……。









ある特殊な薬を飲んだ父と

彼のことが大嫌いな娘が起こす騒動を描いたコメディ映画です。


大好きな堤真一さんが主演しているということで

以前から観たいと思っていたのですが


娘役の女優さんが苦手で

なかなか観る気になれず💦


ようやく本日観ることができました。


(なかなかウザかったです、七瀬役の女優さん。やっぱり苦手)


至る所に小ネタが仕込まれていて

CMを観ているような感じでしたが

それもそのはず。

監督さんはauのCM(三太郎シリーズ)を制作された方なんですね。


結構テンポも良くて面白かったです。


堤真一さんはさすがの演技でした。

コメディからシリアスまで

何でもこなせる俳優さんですね。



ストーリー自体はあり得ないお話で

若干B級感が否めませんでしたが


ちょいちょい有名どころが出演していて

それだけでも楽しめました。







お時間があればどうぞ。