ハングリー・ハーツ

2014年のイタリア映画です🇮🇹

第71回ヴェネチア国際映画祭で主演の2人が男優賞と女優賞をダブル受賞した作品です。

監督はサヴェリオ・コスタンツォ



運命に導かれてニューヨークで恋に落ちたジュード(アダム・ドライヴァー)とミナ(アルバ・ロルヴァケル)は結婚し男の子が産まれる。

だが、ミナは息子の育て方についての方針に異常なこだわりを見せ、次第に神経をすり減らしていく。

やがて彼女は、息子が食べるものや接するものに敵対心と怖れを抱くようになり……。








息子の誕生をきっかけに
子育てをめぐり苦悩する夫婦の姿を
ニューヨークを舞台に描いたサスペンス映画です。

オープニングこそコメディタッチの恋愛映画様でしたが
すぐにミナの狂気が顕になっていきます。

こういうトンデモ医学やとトンデモ育児を信奉する人…私の臨床場面でもたくさんいらっしゃいます。

いくら理論的かつ冷静に説明しても理解していただけません。

結末は賛否両論あると思いますが
司法や行政が正しい判断をしてくれなかったので
仕方なかったのでは?
と思います。

コレ…普通に虐待案件なんですけどね。

それにしても義母さんが可哀想だったなぁ。


ニューヨークが舞台のお話で
結婚式のシーンでは思い切り『フラッシュダンス』のテーマソングが流れて

違うやろー!

とツッコミを入れてしまいましたが

エンディング曲はイタリアっぽくて良かったです。

まずまずお薦めの作品です。
お時間があればどうぞ。
途中かなりイライラしてしまうお話ですが。



地獄

1960年の日本映画です🇯🇵

監督は中川信夫




仏教系の大学に通う清水四郎(天知茂)は、恩師の矢島教授(中村虎彦)の下で彼の一人娘の幸子(三ツ矢歌子)と婚約していたが、謎めいた笑みを浮かべる同窓の田村(沼田曜一)がしつこくつきまとってくるため、彼の誘惑から逃れようとして逆に次々と罪を重ねていく。

まもなく、幸子を自動車事故で亡くしてしまった四郎は実家へ戻るが、そこに住む画家の谷口円斎(大友純)の娘で幸子にそっくりなサチ子(三ツ矢歌子・二役)と恋に落ちる。

しかし、田村に加えて四郎に轢き逃げされたヤクザの志賀恭一(泉田洋一)の情婦・洋子(小野彰子)が復讐しようと後を追ってきたため、四郎は吊り橋でもみ合っているうちに2人を殺害してしまう……。









前途洋々たる青年の周囲で次々と死亡事件が起こり

やがて自らも殺されて地獄に落ち

そこで集う人々を目の当たりにする様を描いたホラー映画です。


昔の作品ですが

なかなかクオリティ高かったです。


前半は連続殺人事件が普通に描かれたサスペンス映画でしたが

(全てが殺人という訳ではなく過失致死がほとんどで四郎は悪くないような気もしましたが)


後半はスプラッター映画の様相で

様々な地獄での責苦を描いたシーンはかなりグロかったです。





四郎の周りの人ほぼ全員が地獄に落とされていて

交通事故で亡くなった婚約者の幸子ですら

『親より先に死んだ』という罪で地獄行きでした。



さらに病死した四郎のお母さんも何故か地獄…

この秘密(オチ)は前半に何となく読めていました。

 



作中に『養老施設』というのが登場します。

これは今で言うところの『老健』?


しかし病気の人ばかりが畳部屋で寝かされていて

かと思うと四郎の両親(多分40代だと思われますが)が住んでいたり

娼婦もいたり

さらに画家が娘と住んでいたりして

謎の施設でした。



念のため『養老施設』を調べてみましたが


厚生労働省が社会的弱者をサポートする『生活保護法』を1950年に制定し、身寄りのない高齢者や収入を得にくい高齢者を保護するために作ったのが『養老施設』で、これが老人ホームの始まり


だそうです。


しかし主演の天知茂さん…

めちゃくちゃイケメンでした。



脇役の田村役の沼田曜一さん…

イイ味出していました。





まずまずお薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。



あなたを見送る7日間/This Is Where I Leave You

2014年のアメリカ映画です🇺🇸

原作はジョナサン・トロッパーの同名小説です。

日本未公開作品です。

監督はショーン・レヴィ



ラジオ局で働くジャド(ジェイソン・ベイトマン)はある日、自宅で妻クイン(アビゲイル・スペンサー)と上司ウェイド(ダックス・シェパード)の浮気現場を目撃し離婚。

仕事も辞めて失意のジャドに、妹ウェンディ(ティナ・フェイ)から父親の死の知らせが入り、葬儀のためジャドは地元へ戻る。

久しぶりに一家全員が集まったところで母ヒラリー(ジェーン・フォンダ)から、父が遺言でユダヤ教のシヴァを希望していたので、家族全員で7日間の喪に服す、と告げられる……。









父親の死で久しぶりに顔を合わせた兄弟姉妹…

それぞれに問題を抱えた面々が喪に服する7日間で自分と向き合い

家族の絆を取り戻していくドラマ映画です。


こういうワチャワチャしたアメリカ映画…好きです。


テンポが良くて

ブラックユーモアが効いていて


でもアメリカ映画なんで下ネタ満載です💦


家族のお話…

ハートフルコメディです。

良かったです。


4人の兄弟が典型的でしたね。

真面目だけどマヌケな長男

ごく普通の次男(←この人が主役)

やんちゃな三男

しっかりものの長女



お母さん役のジェーン・フォンダがめちゃくちゃ素敵でした。



現在84歳。

本作が公開された時は76歳くらい?

美魔女ですね。

ちなみに子供の頃、この方のこと『ジェーン本田』だと思っていました(笑)


オチはちょっとビックリしましたが

アメリカ映画らしい感じのオチ。


まずまずお薦めです。

ジャド(次男)の奥さんは胸糞悪かったですが。


お時間があればどうぞ。


新解釈・三國志

2020年の日本映画です🇯🇵

脚本・監督は福田雄一



今からおよそ1800年前、後漢王朝滅亡後の中国では、魏・蜀・呉の三国が分立していた。

乱世の時代、蜀の武将である劉備(大泉洋)が多くの配下を従え人々の平和のために立ち上がる。

諸国の武将たちがしのぎを削る中、天下統一を成し遂げるべく南下してきた曹操(小栗旬)率いる魏軍80万を、劉備孫権(岡田健史)率いる蜀・呉の連合軍3万が迎え撃つ『赤壁の戦い』が起きる……。









中国の『三國志』を基にしたコメディ映画です。

覇権争いを繰り広げる魏、呉、蜀の武将たちがしのぎを削った時代を
福田雄一監督の新解釈で描いています。

面白かったんだけど
コメディ映画というより
現代風の言葉遣いに変換しただけの三國志コント』といった感じでした。

主演の俳優さんが苦手で観るのを若干躊躇していましたが

大好きな三代目の岩ちゃんが出演していたので
最後まで観ました。


曹操役で小栗旬さんが出演されていましたが

意外に地味で

なんかもったいない感満載でした。



嫌いじゃないけど
作中でも相変わらずウザかったです💦





観終わった後
中国の歴史や三國志に興味を持ったとか
特になかったです。

特に何も残らなかったです。

暇つぶしには良い作品かもしれません。

お時間があればどうぞ。


苦役列車

2012年の日本映画です🇯🇵

原作は先日急逝された西村賢太先生の同名小説です。

監督は山下敦弘



1980年代後半。

19歳の北町貫多(森山未來)は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。

他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二(高良健吾)と親しくなる。

そんなある日、古本屋で働く桜井康子(前田敦子)に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になるのだが……。









1980年代後半を背景に

19歳の日雇い労働者で、酒におぼれる主人公を中心に

その友人、主人公が憧れる女性の青春模様を描いた作品です。


残念ながら原作は読んでいないのですが

西村賢太先生の訃報を聞き

今更ながら観賞させていただきました。



率直に言って

下手なコメディ映画より面白かったです。


特に貫多役の森山未來さん…

定評のある役者さんであることはすでに認知していましたが


観ている者を不快感でいっぱいにさせる名演技にはホント感服しました。


素晴らしい役者さんですね。



高良健吾さんと前田敦子さんはイマイチでしたが

それを凌駕するマキタスポーツさんの演技…

これも素晴らしかったです。



最後はちょっとファンタジックな感じでしたがオチは特になく


そこら辺が本作の評価を下げた一因と分析されている方もいらっしゃいましたが


あれはあれで良かったのでは?


と個人的には思いました。


お薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。



ヴィクトリア

2016年のフランス映画です🇫🇷

監督はジュスティーヌ・トリエ。




ヴィクトリア(ヴィルジニー・エフィア)は刑事事件専門の弁護士。
ある日、出席した結婚式で昔の友人ヴァンサン(メルヴィル・プポー)と、以前担当した薬物事件の依頼人サム(ヴァンサン・ラコスト)に再会する。
その翌日、ヴァンサンが恋人の殺害未遂容疑で逮捕される。
無実を証明できるのは被害者の飼い犬のみ。仕方なく弁護を引き受けたヴィクトリアだったが、元夫の迷惑行為に対応したり、なぜかサムを住込みのベビーシッターとして雇うことになったり、数々の波乱が巻き起こる……。







シングルマザーの女性と訳あり年下男性のラブコメディです。


スタイリッシュで大人な映画でした。


法廷に犬やチンパンジーが出廷したり

ヴィクトリアの娘たちが常に裸だったり


???


って思う場面は多々ありましたが


法廷劇も交えたアイロニーたっぷりのお話で

面白かったです。


それにしてもフランスの裁判所ってお洒落ですね。

赤を基調とした内装は目がチカチカしましたが。



登場人物が極端な人ばかりでした。


ヴィクトリアはメンタル不安定すぎ

サムは何考えてるかわからなすぎ

ヴィクトリアの元夫は胸糞野郎すぎ

ヴァンサンは頭悪すぎ


ヴィクトリアはすごい美人という訳でもなく

フランスではおそらくありふれたおばちゃんなんでしょうね。

見た目が『フランス版レネー・ゼルウィガー』って感じでした。



軽快なフランス語の会話劇はテンポも良くて

かなり楽しめました。


音楽も良かったですね。

サントラ版があれば欲しいなぁ♪


まずまずお薦めです。

お時間があればどうぞ。



モーガン・ブラザーズ

2012年のオーストラリア映画です🇦🇺

監督はコリン・ケアンズ&キャメロン・ケアンズ



オーストラリアの田舎道。
モーガン・ブラザーズという肥料工場が経営難に陥っていた。
このピンチを脱したのは、人間の死体を肥料にした新商品。
そんな兄弟(デイモン・ヘリマン&アンガス・サンプソン)が、拾った死体をトラックで運んでいる途中にヒッチハイカーの若者を拾うことに。
若者たちは兄弟の工場の正体を知り驚愕するが時すでに遅し。
彼らは兄弟から逃げることが出来るのだろうか?







人間の死体を肥料に工場を営む異常性格のモーガン兄弟に拾われてしまったヒッチハイカーが体験する恐怖を描いたホラー映画です。


車のドアに挟まれてちぎれる指や斧で叩き切られる手


さらには肥料を作るために死体を損壊するミンチマシーン…


スプラッター要素満載ですが

コメディタッチに仕上げられていたので

それほどグロくなかったです。

とはいえ、血が苦手な方はキツいかも。


弟くんがあまりにもアホすぎたのと

ヒッチハイカーの女性がビッチすぎたのが

何だか許せなかったです。


叔母さんはまさかの展開で

笑ってしまいました。

これはストーリーに必要だった?💦

(詳細は本編をご覧ください)


ハッピーエンドなんでしょうね、映画的には。


いや〜面白かったです。

テンポも良くて

適度にハラハラドキドキもあって。


まずまずお薦めの作品です。

お時間があればどうぞ。