震える舌

古い映画を観ました。
1980年の日本映画です🇯🇵
原作は三木卓先生の同名小説です。
三木先生のお嬢様に起こった実話がモチーフとなっているそうです。
監督は野村芳太郎



ある日、マンションの近くの埋め立て地で泥遊びをしていた女の子・三好昌子(若命真裕子)が、落ちていた小さな釘で手にケガをした。
よくあるケガだと思い自宅で一般的な消毒などをしたが、数日後に歩き方がおかしいことに気づいた父の昭(渡瀬恒彦)と母の邦江(十朱幸代)が聞いてみると、昌子は「歩けるけど、歩きたくないの」と言い、話し方もどこかいつもと違う。
昭と邦江は昌子を病院に連れていくが、「大したことはない」と診断され、取り合ってもらえない。
やがて昌子は痙攣を起こし、自身の舌を噛み切って悶え始めた。
大学病院での専門医による検査の結果、昌子は破傷風にかかっていることが判明し、隔離された病室に入院することになった……。








タイトルだけは聞いたことがある作品でした。
ずーっとホラー映画だと思っていましたが
医療ドラマで
家族を描いたヒューマンドラマでもありました。

この作品1本で破傷風のことが概ねわかります。
多少のツッコミどころはありましたが
医療ものとしては昔の作品ですがクオリティが高かったと思います。

医学生時代に習いました…破傷風の症状。
教科書で初めて後弓反張のイラストを見た時は怖かったです💦


子役さん…素晴らしい演技力でしたね。



中野良子さん扮する小児科医…
凛としてカッコ良かったとか
理想の主治医像などというコメントが多いようですが

とても深刻な場面で薄ら笑いを浮かべていて
私には違和感しかなかったです。
クランケが危篤の状態であんなに微笑んでいたら
『不謹慎だ』とか『本当に真剣に治療してくれているの?』などのクレームが近年では必至です💦




ところで…
この主人公の昌子ちゃんはおそらく1970年くらいに産まれた設定だと思うのですが
1968年からDPTワクチンが導入されていて
え?ワクチン打ってなかったの?
打ってたら防げたよね?

なんて思ってしまいましたが

ワクチン導入されてから
副作用で接種が中止されていた時期があったようで、それが1975年前後頃だったとのこと…

その期間のお子様だったんでしょうね…と納得してしまいました。


破傷風…古い病気のイメージがありますが
現代でもちょくちょく見られます。

私自身…数年前に海外出張後感染したサラリーマンを1例だけ診たことがあります。

最近ではガーデニングやピアスからの感染例も報告されています。

かなり怖い疾患なので
開口障害が起こった時点で疑わしい時は早めに受診してくださいね。

それにしても
このご夫婦(渡瀬恒彦&十朱幸代)には早期から精神科医が介入すべきだったのでは?

精神科医の私は思いました。



観たらトラウマになる!

なんておっしゃる方もいるようですが

お薦めの作品です。
宜しければ観てください。