そして父になる
2013年の日本映画です🇯🇵
是枝裕和監督・脚本作品です。
原作を読み
福山雅治さんが主演で映画化されると聞いて
是非観たい！
と思っていましたがなかなか機会がなく
先日ようやくDVDで観ることが出来ました。
大手建設会社に勤務し都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多（福山雅治）は、人生の勝ち組で誰もがうらやむエリート街道を歩んできた。
そんなある日、病院からの電話で、6歳になる息子が出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明する。
妻のみどり（尾野真千子）や取り違えの起こった相手方の斎木夫妻（リリー・フランキー&真木よう子）は、それぞれ育てた子どもを手放すことに苦しむが、どうせなら早い方がいいという良多の意見で、互いの子どもを“交換”することになるが……。
これは…
かなり問題作でした（私の中では）。
ちょっと辛口な感想になるかもしれませんがご容赦ください。
『新生児の取り違え』という大変重いテーマを扱った作品なのですが
設定がステレオタイプで
心理描写がとても雑！
まずはリリー夫妻…
お金のことばかり主張する嫌なタイプの人たちが
何のプロセスもなくいつのまにか良い家庭人の代表みたいに変化している。
そして福山夫妻がひどい人たちみたいに描かれています😭
子供とお風呂に入ったりしてたくさんの時間を過ごす父親が『良い父親』なんですか？
ろくに躾もしないで無計画に子供を作る…お友達感覚の父親が『良い父親』なんですか？
子供に教育や様々な機会を与えるために一生懸命働いてお金を稼ぎ、結果として子供と一緒に居る時間が少ない父親は『悪い父親』なんですか？
子供が将来困らないように言葉遣いやお箸の持ち方を厳しく教える父親は『悪い父親』なんですか？
貧乏だけど明るい家庭＝愛情たっぷり
裕福で恵まれた家庭＝冷淡
という図式がこの作品では表現されていて、ただただ呆れてしまいました。
でもこれが世間一般的な感覚なのかなぁ。
この映画を観て一番腹が立ったのは
当の子供たちの心にはほとんど焦点が当てられていなくて、置き去りにされているような印象を持ちました。
6歳にもなればもうすでに自我が芽生えています。
的確な判断力はなくても
状況察知は出来るお年頃です。
『子供の心』というのをもっと大切に描いて欲しかったです。
配役もなんかおかしかったです。
本作は福山雅治さんのために書かれた脚本らしいですが福山さんの魅力が活かしきれていない。キャラの中途半端な感じが否めませんでした。
リリー・フランキーさんも然り。
この役柄に
もっと言えばこの作品にコメディタッチは要らなかったと思います。
リリーさんの妻役の真木よう子さん。
色気があり過ぎだし妙に品がある。
福山さんのセレブ妻役の尾野真千子さんは逆に貧乏くさい感じ💦
ただ、この4人の中では一番演技がしっかりしていましたね。
子役にはあまり文句を言いたくないのですが
リリーさんの取り違えられた息子琉晴くんの関西弁が違和感でした。
（群馬県民の設定なのに何故に関西弁？）
お財布のブランドや車種だけでなく
（福山さんはブランドの札入れでレクサス、リリーさんはテープがビリビリ貼られたボロ財布に軽自動車…で差異化を表現していましたが）
配役の細部にもこだわって欲しかったなぁ。
はっきり言ってガッカリな作品でした。
期待しすぎた私が悪かったのかもしれませんが。
