フレンチアルプスで起きたこと
2014年のスウェーデン=デンマーク=フランス=ノルウェー合作映画です。
監督はリューベン・オストルンド。
山際のテラスで昼ご飯を食べていると、突如轟音が鳴り響き目の前の斜面で雪崩が発生。
大事には至らず家族は無事だったが、夫トマス(ヨハネス・バー・クンケ)が取った行動により頼れる理想のパパ像は崩れ去り、妻と子供たちの反感を買い家族はバラバラなってしまう……。
一見ホームドラマのような感じですが
これがなかなかのブラックユーモア溢れる作品でした。
自己生存を優先する男性の心理と
他者との共存を優先する女性の心理…
要は『本能の違い』なんです。
現に大災害が起きた時に逃げ遅れて亡くなるのは女性が圧倒的に多いのは、体力的な問題ではなく、本能の違いによるものなんです💦
なので、家族を見捨てて逃げてしまった夫トマスは決して悪い人ではなくて
人間だから仕方ない!
男だから仕方ない!
って考えるべきなんです。
雪崩の後、娘と息子が不機嫌になってしまうシーンがありますが
子供とはいえ、ここにも男女差が描かれていました。
パパが見捨てたことを怒る娘
パパが見捨てたことで怒るママを見て離婚するんじゃないかと不穏になる息子…
しかし家族という絆で考えた時
こういう男女の違いは意味をなさないんですよね。
一家の大黒柱であるパパは何が何でも家族を守らなければいけない!
とはいえ
ずーっと奥さんに責められるトマスはとても可哀想でした。
で、この奥さん…
まあ酷い女性でしたね。
夫を責め立てるだけではなく
ホテルで知り合った人妻に自分の価値観を押し付けて不快にさせたり
遭難したフリをして夫を試したり
(子供たちを不安にさせもしました)
そして何と言っても最後のシーン!
ネタバレになるから言及しませんが
まあとんでもない自己中女でした。
本作ではやたらと排泄シーンが登場します。
(雪の中でウンコをしたり)
夫婦の友人であるマッツが2人を宥めようとして言った台詞…
人間は所詮動物に過ぎない!
この言葉と排泄が見事にリンクしていたように私には思えました。
お時間があればどうぞ。